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アニメオタクがオーディオ市場を衰退させるって本当?【ポタオデ/アニソン/業界考察】

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「アニメオタクがオーディオ市場を衰退させる」

  • アニメオタクがメイン購買層なのでイメージが悪い。
  • 音楽制作者としてアニメオタクしか曲を真剣に聞かなくなる世界線が怖い。
  • Appleは【ジョブズが】マニアを捨てたから、大きく成長した。オーディオ業界も見習うべき。
  • 一般の新規層獲得に向けて、まずアニメオタクとマニアを捨てるべき。

 

まぁ、これだけでも主語大きいなぁ・・と思ってしまうのですが。

最近このような意見をちらっと耳にしてしまい、本当にそうなのかな?と疑問に感じました。

 

私自身ポータブルオーディオが趣味でアニメも大好きなのでとても気になります。

ほぼ当事者ですので・・・。

 

良い機会なので、本記事では一つづつ考察していきたいと思います。

 

※本文でアニメオタクというワードが出てきますが、あくまでこのような意見が出た時によく使われる単語として本文でも使わせて頂きます。コンテンツやその界隈の人を否定する意図はございません。

アニメオタクがメイン購買層なのでイメージが悪い。

どのような人をアニメオタクと呼ぶかそうですね・・・

 

チェックシャツインでリュック、モテない小太り、ガリガリメガネ

みたいな印象で語られることが多いですが、最近のアニメオタクの実情は少し違います。

 

まず第一にアニメオタクの視聴者層自体が二分化しています。

一般層向けアニメ・・・主にジャンプなどの少年誌系、スパイファミリー、鬼滅、呪術、卍、ヒロアカ、フリーレン等

マニア向けアニメ・・・主に深夜枠アニメ、なろう、きらら、マイナー誌、pixiv原作等

さらにここから男性向け、女性向けへと分かれます。

 

一般層向けアニメの視聴者層ですが主に若者で、ワンピース上映館の列を見ている限り、服装もシンプルですが流行りを押さえており、カップルも多くこのような人達もアニメオタクです。

 

昔とは違い今の若者は特別な感情無くアニメを語り、映画も大っぴらに見に行きSNSで報告し、自分達のことをオタクだというキラキラなカップルも存在します。

 

そしてマニア向けアニメの視聴者層も、最近ではステレオタイプな人は少なく、ほとんど一般の方と見分けがつきません。というより、男女問わず普通に働いてる社会人がほとんどです。

 

2.5次元がアイドルの需要を奪い、声優さんが出演するテレビ特番も増え紅白にも出場、深夜アニメの劇場版が高視聴率を叩き出す等、一般層への浸透を強く感じます。

 

つまり、一般層にまで浸透しているアニメ好きのことを「オタク」とカテゴライズして批判すること自体、現代においてはほぼ無意味。幻想なのです。

 

要はアニメオタク=ほぼ一般層なのです。

現代においては。

 

一部には変に騒いだり、服がヘンだったりする人もいますが、それはどの界隈でも一緒です。音楽関係の人とかでも、酒癖悪かったり、葉っぱ吸ったり、駅前でたむろして騒いだり、変な古着に着られて浮いてるような人もいますよね?

そう言うことだと思います。

 

【結論】

オタク=底辺という幻想

音楽制作者としてアニメオタクしか曲を真剣に聞かなくなる世界線が怖い。

要はアニメオタクにしか良い機材で、自分達の音楽が聞いてもらえないのが、嫌だと・・。いわゆる業界側(音楽制作者)としての意見ですね。

 

別にそんな世界でも良いんじゃない?

 

と私は思いますけどね。

 

今の時代、アニメ系の仕事の幅はかなり広がっており、放送アニメだけでは無く、劇場版アニメの劇伴、声優さん&ユニットのプロデュース等、優秀な作曲家は進んで参入しているようにも思います。

 

今月(2023年1月)のサブスク&moraのアルバムトップ1もずっと某バンドアニメのアルバムです。

 

崇高な音楽、崇高な客というものが何かはわかりませんが、現状誰も困っていませんし、むしろその世界は広がっているので、そんなこと言わずに一度アニメ曲作ってくださいよ。

 

と、一アニメオタクの私はそう思います。

 

【結論】

まずは、ぼざろから見てみようか

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Amazon

Appleは【ジョブズが】マニアを捨てたから、大きく成長した。オーディオ業界も見習うべき。

こちらの意見はアニメオタク=底辺であり、一般層の獲得を~という文脈ですね。

この段階でこじつけですが、まぁ良いとしましょう。

 

まず、第一にですがapple製品は元々マニア向けです。

表面的な情報だけ見てるとそう思ってしまうのも仕方ありません。よくありますよね、一般層向けにコンピューターを普及させたと。

 

ですが、彼らは一般層向けに商品を作ったのではなく、新しい概念を作り一般層に認知させたのです。これは表面的に同じように見えて、全然違います。

 

一般層をマニア化させたのです。

 

そして、ジョブズは知っていてもウォズのことは知らない人が最近多いのは少し寂しいですね。実はジョブズより色んな意味でヤバいのが彼ですし、彼無しでAppleは成り立ちませんでした。

 

完全に一般層向けにシフトしたのは、どちらかといえばジョブズ亡き後です。

2010年位まではmacbookがユーザーの手でカスタム出来ましたから、まだまだマニア向けです。

 

その後はある国の富裕層と一般層に対して製品を作り宣伝を行ってきた。というのが事実に近いと思います。なぜか?稼げるからです。

 

つまりこの論理で進めると最終的には、オーディオ業界は日本の市場を諦めないといけません。

 

そう Appleを見習うのならね

 

※2022年後半からはかなりマニア、プロユース向けにシフトしています。ハイスペック化、強みを特化させる。等。iPadのフロート機能などは特に顕著です。

一般の新規層獲得に向けた方向性を目指すべき。そのためにはまずアニメオタクとマニアを捨てるべき。

これは一顧客としてもそうですが、業界としてもどうなの?と思ってしまいます。

なぜなら、現状オーディオ内需を支えているのは一般化したアニメオタクやマニアだからです。

 

アニメオタクはともかく、マニアは一回裏切ると、ほぼ帰って来ません。

内需に頼っている現状では大きな痛手となります。

新規が定着するであろう10年20年なんて持ちません、早々に倒産が相次ぐでしょう。

 

そして、アニメオタクやマニア向けに商売してると、先行きが無く萎んでいくばかりと語られますが、本当にそうなのでしょうか?

 

誰も知らないような金脈が眠っているのでは無いでしょうか?

ある競馬アニメの例

一つ例を挙げますが、【ウマ娘】についてです。

唐突で申し訳ありませんが、直近で一番金脈を掘り起こしたコンテンツだと思うので。

 

ナイスネイチャ バースデードネーション(NPO法人引退場協会への寄付)

2017年:198500

2018年:677500 アニメ第一期

2019年:1087088

2020年:1763900

2021年:35829730 アプリリリース アニメ第二期

2022年:54103738

2023年:74022066 (追記)

 

有馬記念売上

2017年:44199575700

2018年:43664039500 アニメ第一期

2019年:46889714600

2020年:46425894400

2021年:49097246400 アプリリリース アニメ第二期

2022年:52155046600

2023年:54579634000(追記)

 

数字を見てわかるように、アニメ第一期放送から売上=新規が増え、アプリリース、アニメ第二期放送からは爆発的に増えています。

 

バースデードネーションは2018年より約5000万円、有馬記念は85億円の増加です。

2021年までは流行り風邪明けの反動という意見が多かったのですが、メディア露出に力を入れた2022年にさらに大きく伸びているので、ウマ娘効果と言っても過言では無いと思います。

 

笠松や金沢などの地方競馬場とのコラボも記憶に新しく、

中山馬主協会協力の元ウィナーズレディコラボも決定しています。

 

そして大事なことですが、

全て「ウマ娘のおかげ」ではありません。

 

競馬業界全体が新規獲得のために、ウマ娘というコンテンツを受け入れ、SNS発信も含めて積極的にPRに使ったことが凄いのです。

 

業界側から積極的にアニメとコラボし、アニメオタク含めた新規をどんどん確保する。

 

この方法で数字として結果が出ているのです。

 

新規に対して嫌悪感を抱いていた競馬古参も、馬券の旨味が増したり、設備が良くなったり。自分達にしっかりメリットがあると分かってからは好意的です。

何より人が増えて賑わうと自分の経験も尊ばれます。これらは競馬系youtuber等にも多く見られる現象です。

 

盛り上がっている、メリットがある、と感じさせればアニメだろうがなんだろうが一般層は寄ってきます。

 

そして、競馬業界全体が誰も損をしていない上に、誰も見捨てられていないのです。

オーディオ業界はどうするか

オーディオ業界に話を戻します。

アニメオタクの金脈を掘り起こすことで、商品価格が適正になり、選択肢も増え、さらに知識のあるマニアが尊ばれ、その後一般層に認知されていく。

 

このような理想の流れを実現することは可能だと思うのです。

金脈を掘り切った後、もしくは同時進行で一般層への認知を広げて行けば良いのです。

 

アニメオタクというものは、自分が好きな作品やその音楽をもっと身近に感じたいと常日頃思っています。ですが、私もそうであったように方法を知らないのです。

SNSで「結束バンドのアルバム配信で買った!!」と嬉しそうに投稿してる方が、AAC-LC 320kbps verでiPhone &airpodsだったりすることが多いです。

 

もちろんそれ自体は悪くないですし、否定するつもりもありません、私もずっとそれと同じかそれ以下の環境でしたから。

 

主人公達が演奏してるライブハウスにいるような臨場感を感じることが出来るよ。

サブスクでロスレスで聴けるよ。

iPhoneを高音質化できるデバイスがあってバランス接続で〜

もし興味があるなら、2000円以下の有線イヤホンから〜

 

などと、上手く訴求しオーディオに興味を持ってくれれば、販売側、業界側としては良いお客さんになってくれるはずです。そしてお客さんもより良い体験が出来ます。

 

掘り起こされていない一般化されたアニメオタクは想像の何倍もいると思います。

私がそうだったのですから。

 

【結論】

アニメオタクもおだてりゃDAPやスピーカーを買う(経験談)

まとめ

色々な意見がありますが、私はそれで良いと思います。

ですが、一つの属性に対してイメージだけで批判するのはあまり良くないのでは?

と、当事者としてそう思います。

 

ちなみに、現在(2022年)eイ◯ホンの登録者数は11万4000人ほど、

新規さんが増えてるんですよね。

 

結局、主語が大きいだけの意見より数字が全てなんです。

努力は実っています。オーディオ業界に幸あれ。