どろのヲタブログ

アニメと音楽と

ライブシーンから楽曲まで徹底比較!!【けいおん!VSぼっち・ざ・ろっく!】レビュー

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はじめに

社会現象にじわじわとなり始めている、ぼっち・ざ・ろっく!

そして、過去に社会現象を引き起こした、けいおん!

今改めて、この2作を比較することに意義があると思いました。

個人的感情はなるべく抜いて、客観的に比較したいと思います。

 

けいおん!は13年前のアニメですが、現代においての評価基準になります。

あくまで、今観たらどうか?という基準で評価します。

 

※ぼっち・ざ・ろっく!は1期。けいおん!は実質3クール2期まで、番外編、映画は除いた上での評価です。CDや受賞歴などの実績はカテゴリによっては判断基準に含まれます。

ポイント制

最大、星☆☆☆☆☆での評価です。

星一つ1ポイント。最終的に合計ポイントでの評価もしたいと思います。

勝敗はつきますが、紅白歌合戦のようなものと思って下さい。これだけで作品の優劣が決まるものではありません。

徹底比較

作画

けいおん!☆☆☆☆

京都アニメーションの手描き作画が素晴らしく、全体的に温かみがあります。

後半で髪型を何回も変えるシーンがあるのですが、今の時代ではあんな面倒なこと出来ないと思います。京アニだからこそですね。

綿密なロケハンによる背景も素晴らしく、それぞれ絵画のようです。

ぼっち・ざ・ろっく!☆☆☆☆☆

デジタルをフル活用した作画で、安定感において素晴らしいです。

常にどのシーンでも崩れがなく、ソリッドで完成されています。

コントラストも絶妙で、しっかりと目に飛び込んでくる画面作りがされています。

こちらも背景や機材の作画も素晴らしいです。超現実というような作画です。

総評

全体的にどちらがよく動いてるか、という点で見るとぼっち・ざ・ろっく!の方が良く動いていると思います。けいおん!の方は良くも悪くも、匠の技で省エネ化されており、なるべく工数の多いシーンは映らないように、構成されています。

色含めた画面の作り方も、ぼっち・ざ・ろっく!の方が今の視聴者には視覚的にわかりやすく、観やすいと思いました。

引用元:https://bocchi.rocks/

楽曲

けいおん!☆☆☆☆☆

放課後ティータイムの曲から、キャラソン、DEATH DEVILのメタル曲まで。幅広い楽曲が展開されています。それぞれの曲も完成度が高く、特筆すべきは放課後ティータイムの曲のキャッチーさです。シンプルかつ、演奏していて楽しいガールズバンドの曲としての完成度が高くどのような年代の人が聞いても楽しめるような曲です。

正統派なオールドロックをアニメに持ち込んだ功績は大きいと思います。

ぼっち・ざ・ろっく!☆☆☆☆

こちらはまだアルバムが「結束バンド」一枚しか出ておらず、曲数、幅広さはありません。しかし、このアルバムの完成度は高くアニメの範疇に収まらないほどの魅力があります。

キャッチーさは薄く、どちらかというとアニメに本格的かつ現代的なロックを持ち込んだという印象です。幅広い年代というよりは、20代くらいまでの人にひたすら刺さる。全体的にそのような曲だと思います。

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総評

曲数、幅広さの点でけいおん!が現段階では1枚も2枚も上です。

ただ、これからぼっち・ざ・ろっく!の楽曲が増えるにつれて、その差は縮まり、越える日が来るかもしれません。

引用元:k-on

日常シーン

けいおん!☆☆☆☆☆

日常といえば、けいおん!です。

らきすたからの流れもありますが、本格的に日常系が流行り出したのはけいおん!以降です。

 

作中でも、特徴的なのはキャラ同士のやり取りを延々と見せて、過剰に演出しない所です。もちろんライブシーンや、平沢唯が1期の終わりに最初の道を疾走するシーンは印象的です。

ですが、そこが全てではなく、あくまでキャラ達の日常がメインなのです。

 

実際、ストーリーに関わりのある本格的な長尺のライブシーンは1期では2回、2期でも2回です。2期合わせて36話の内の、4回ほどで実はそれほど多くはありません。

全体的に振り幅が大きく、2期最後の数話は少し寂しくも心揺さぶられる展開です。

ぼっち・ざ・ろっく!☆☆☆

学校がメインの舞台では無く、下北にあるライブハウスが舞台なので、結束バンドのメンバー、店長、他バンドとの関係性が主になってきます。

けいおん!には無かったような、同時期に活動している他年上バンドとの絡みや、ライブハウスのあるあるや、細かい部分までしっかりと描写しています。

 

そして、日常という枠には収まらないコメディ要素の強い本編は、人によっては合う合わないはあると思いました。

引用元:https://bocchi.rocks/
総評

高校生の日常を細かく丁寧に描き切ったのがけいおん!

ライブハウスの日常をコメディとして強烈なインパクトを残したのがぼっち・ざ・ろっく!

両方甲乙つけ難いのですが、やはりけいおん!に軍配は上がりますね。

これは話数も関わりあるので、難しい所です。

ライブシーン

けいおん!☆☆☆

比較ということで、意図的に星3つです。

キャラがイキイキと舞台で体を揺らし、楽器を演奏して動き歌う。これ自体が技術的にも予算的にも不可能と言われていた時代です。

その中で、ほぼ手描きで歴史に残るライブシーンを多数描いたことは間違いないです。

汗の量、目の動き、髪の毛などがシーンごとに変わっていき、演出も相まってメンバー達の感情を感じることが出来ます。

ですが、今改めて見ると、楽器など工数が多い部分は意図的にカットされており、手元もほとんど映りませんし、動きも繰り返しが多いです。

OPの作画はしっかり楽器を弾いており、今見ても超絶クオリティなのですが、本編ではどうしてもそのような省エネが見えてしまいます。

ぼっち・ざ・ろっく!☆☆☆☆☆

モーションキャプチャーを使ったライブシーンは、楽器も実際の物を使っているという手の込みようです。制作側のインタビューで楽器が揃わないと、収録が出来ないと言っていたのには驚きました。そこまでやるか・・。

そして、ライブシーンの出来も素晴らしく、キャラがそれぞれに動き、それぞれに瞬きします。しかも、カットも豊富で手元もしっかり写しており、ライティングも素晴らしく、これでもかとライブそのものを伝えてきます。

 

5話、緊張感ある演奏に合わせて硬めに入る。

8話、覚醒前までは、噛み合わない感じに演奏してもらい、それにつられるように。

 

このように話の展開に合わせて、演奏や歌唱も変えているそうで、そこに結束バンドがいるという臨場感を強烈に感じます。※制作サイドのインタビューより

総評

これはもう、技術の進化とぼっち・ざ・ろっく!スタッフの執念が勝ったという結果です。これからは、アニメでのライブといえばぼっち・ざ・ろっく!になると思います。

13年という時代を引っ張ってきた、けいおん!に引導を渡したアニメとなるでしょう。

少し寂しいですが、13年もの間トップだったので殿堂入りと言っても良いのかもしれません。

構成

けいおん!☆☆☆☆☆

1期は平沢唯の成長物語、2期はキャラの掘り起こしと関係性の深まり。

そして、放課後の終わりと旅立ち。

とても綺麗な展開で、最後の数話は少し寂さが漂うのですが、「天使にふれたよ!」という名曲によって晴れやかに物語を締めています。

 

2期の日常シーンの比率は多く、中弛みと捉えれられても仕方ない部分はありますが、それが日常を丁寧に描く、けいおん!というアニメなのです。

 

1期最後の、

最初は転んでなんとなく走っていた道を、最後はしっかり踏み込み、目的を持って仲間の元へ走り出す。

という演出は本当に京アニらしいです。

ぼっち・ざ・ろっく!☆☆☆☆☆

8話までは結束バンドの成長物語、それ以降は後藤ひとりの物語に収束していきます。

コメディを挟みながらも、重要なところは押さえており、無駄がない構成です。

 

やはり1番印象に残るのは、8話です。

結束バンドが発足し、そこから各々が成長しそれが結実する。

その後の伊地知虹夏の言葉によってのタイトルの回収。ここまでの流れが素晴らしいです。

 

8話以降はやや駆け足で進んでいきます。

そして、最後のライブ。

喜多郁代の成長と後藤ひとりの機転。しかも曲が(君と)「星座になれたら」

じわじわと尊さが溢れてきますね。

 

ライブが終わり、お約束のコメディシーンを経て、最後に流れる例の曲。

多くの視聴者はやられた!と思ったのではないのでしょうか。

 

それまで散々アジカンの曲はカバーしないのか、アジカンリスペクトに溢れるタイトルだな、等、SNSでは話題になっていましたからね。

そのような新しい時代での盛り上げ方を上手く使い、最終話で結実させた構成は唯一無二でした。

引用元:https://bocchi.rocks/
総評

両作ともに素晴らしいです。ケチつけることころがないのですから。

気になるのはぼっち・ざ・ろっく!の2期ですね。一体どうなるのか楽しみです。

 

あと、12話ライブでの、途中に校舎の映像などを挟んだり、ホールに向かう生徒を写したのは、ほんの少しのけいおん!オマージュだと思っています。同様の演出がありますので。

 

そして、けいおん!1期のライブ回は6話、8話、12話。ぼっち・ざ・ろっく!は5話、8話、12話です。ここも少し類似点といいますか、面白いですね。

ヒットするバンドアニメはこういう構成になるのかもしれませんね。

社会への影響

けいおん!☆☆☆☆☆

飛ぶように売れるバンドスコア、Youtubeでの弾いてみたの爆発的な増加、全国の高校での軽音部の発足、部員の増加、楽器店に人が押し寄せる、朝晩でニュースになる、などとんでもない功績を残しています。

 

これぞ社会現象。というようなもので、テレビも積極的に取り上げ、朝だけではなく夕方もニュースで流れていたのは記憶に新しいです。

 

受賞歴も、

レコチョクアワード新人賞

東京アニメアワード優秀テレビ部門

日本ゴールドディスク大賞 特別賞

など、他にも多数です。

 

高校生ガールズバンドの多くが、放課後ティータイムのコピーをしており、

まるで、全国に第二の放課後ティータイムが生まれ続けているかのようなムーブメントでした。

 

実際のライブも大盛況で、演者が実際に演奏するパートも用意されており、さいたまスーパーアリーナで開催されたライブイベント~Come with Me!!~は3万人以上の動員を記録し、当時の情報番組でも特集されています。

 

けいおん!といいうキャッチーで幅広い年代に受けるアニメだからこそ成し遂げたことだと思います。

 

そして時代が良かったという点もあります。

今ほどSNSが発達しておらず、テレビの影響も大きい時代です。

流行が分散されず、バンドアニメ=けいおん!のようなムーブメントが作られたのでしょう。

引用元:k-on
ぼっち・ざ・ろっく!☆☆☆

現段階では社会現象というレベルのムーブメントは引き起こしてはいません。

 

ただ、狭い範囲へのぼざろ効果は絶大で、下北にファンが多数訪れたり、フレッシュネスバーガーとコラボしたり、コラボイヤホンが4次受注まで膨らんだり。

最近ではニュース番組にも取り上げられたことが話題になっています。

 

この地上波に取り上げられる、というのは社会現象化への第一歩だと思います。

今後「結束バンド」が何かしらの音楽関係の賞を取ることになれば、一気に知名度は上がり、アニメファン以外にも認知され始めます。

さらに地上波への露出も増え、取材も増える。リアルイベントの話も増える。

と、どんどん加速していきます。

 

まだまだこれからということですね。

期待して待ちましょう。

引用元:https://bocchi.rocks/
総評

けいおん!を越すことは今のご時世ではかなり厳しいですが、ぼっち・ざ・ろっく!も社会現象になる兆しが見えてきてるので期待です。

 

応援したい人はリアルイベントになるべく参加することをオススメします。このリアルイベントの盛り上がりが、制作側の方針に大きな影響を与えます。あと、この機会にバンド始めるのもアリだと思います。

 

結束バンドのバンドスコア発売が待ち望まれますね。もちろん、後書きはアジカンに書いてもらって。特典でピックを付けて受注販売して欲しい所です。

あと、ぼざろコラボのチューナーとかめちゃくちゃ売れそう・・。

ヤマハコラボも始まりましたね。

※バンドスコアも発売されました。アジカンのカバー除いた「結束バンド」全13曲収録です。完全監修では無く本家とはアレンジが違うので注意です。

【追記】日本レコード協会から「結束バンド」がGOLD ALBUMに認定!

結果

合計ポイントは・・

けいおん!

27点

ぼっち・ざ・ろっく!

25点

 

けいおん!の勝利〜〜〜〜!(ダウンタウン風)

となりました。

 

あくまで、一部は実績を用いた評価も入っているので、現段階では。です。

 

ぼっち・ざ・ろっく!は伸び代があり、今後もどんどん記録を塗り替えていくアニメになると思います。2期が終わった段階で、どうなっているか。

社会がぼっち・ざ・ろっく!をどう捉えるのか、注視したいと思っています。

まとめ

主人公の違い

平沢唯 【等身大の愛されキャラ】

引用元:k-on

軽音をカスタネットなどの「軽い音楽」だと思っていたような、少し抜けている高校生の平沢唯は、ロックンローラーになりたいとも特には思っていない、普通に音楽を仲間と楽しみ、成長する等身大の主人公です。

 

コミュニケーションも人並みにこなす愛されキャラなので、ストーリー自体も基本マイルドになり、ボーッと楽しめる日常パートから、終盤のキレキレのザ・京アニ演出パートまで。幅のあるストーリーになっています。

 

日常で思った大事な人への想いが、作詞や曲に繋がっており、それが相乗効果になってストーリーを盛り上げます。「ごはんはおかず」などは少し別ですが・・・

 

ゆとり教育が始まり、個性が叫ばれた平成という時代において、普通でにわかの代表のような平沢唯が成長し大切なものを見つけていく過程は、多くの視聴者を惹きつけ癒し、勇気づけたのです。

後藤ひとり 【尖りきった個性】

引用元:https://bocchi.rocks/

ぼっちから脱出したいと思うものの、どうも上手くいかず結果先鋭化して、さらにぼっちになったという。尖りきった個性を持った主人公です。

ギターも1話からすでに上手く、匿名配信でそれなりの利益を上げるレベルで活躍しています。

 

ぼっちワールドという、黒歴史掘り返しフィールドを毎話展開するのですが、実写やクレイアニメなども使われており、後藤ひとりの頭の中に迷い込んだようでとても面白いです。

この部分も含めて主人公である後藤ひとりを受け入れられるか。そこがハマる人とそうでない人の違いになるかと思います。

 

作中ではロックンローラーとしての目覚めも示唆されており、がっつりバンドに対しての想いが強い印象です。承認欲求モンスターになってしまうと本人が言っているように、根本的には目立ちたがり屋なのかもしれません。

 

そのような後藤ひとりが、仲間を見つけ、ライブして成長する。周りが尊敬を持って受け入れていく。けいおん!とはまた違う感動があります。

 

令和の時代には多様性というものがよく叫ばれています。

この言葉は本来であれば自由のためなのですが、逆にお互いを縛り合う呪いのようなものに変化しつつあります。

 

そのような時代だからこそ、強烈な個性を持った後藤ひとりが言葉ではなく楽器一つで、セオリーごとぶっ飛ばしていくストーリーは視聴者を惹きつけるのかもしれません。

二つの時代を代表するアニメ

 

 

平成と令和二つの時代を代表するアニメ、けいおん!とぼっち・ざ・ろっく!

比較こそしましたが、どちらもそれぞれの魅力があり、時代と共にアニメも変化しているのだと改めて思いました。

 

主人公の違いが時代の違いを色濃く写しており、興味深かったです。

視聴者が求めるものも、当たり前ですが変わるのでしょう。

 

技術的な部分も含めてなのですが、正直、けいおん!を見返してここまである種の古さを感じるとは思いませんでした。まぁ、けいおん!はガラケーの時代ですからね・・・当然といえば当然かもしれません。文化からしてそりゃ古いです。

 

けいおん!は終わってしまいましたが、ぼっち・ざ・ろっく!はこれからまだまだ続いていきます。その行く末を、当時けいおん!にハマった私も楽しみに追い続けたいと思います。

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