はじめに
こんにちは、今回は大人気で社会現象にもなりそうな勢いのあるアニメ、
「ぼっち・ざ・ろっく!」についてレビューしたいと思います。
良かったら、アニメ視聴の参考にして下さい。
※ややネタバレあり
キャスト
後藤ひとり:青山吉能
伊地知虹夏:鈴代紗弓
山田リョウ:水野朔
喜多郁代:長谷川育美
など
スタッフ
- 原作はまじあき(芳文社「まんがタイムきららMAX」連載中)
- 監督斎藤圭一郎
- シリーズ構成・脚本吉田恵里香
- キャラクターデザイン・総作画監督けろりら
- 副監督山本ゆうすけ
- ライブディレクター川上雄介
- ライブアニメーター伊藤優希
- プロップデザイン永木歩実
- 2Dワークス梅木葵
- 色彩設計横田明日香
- 美術監督守安靖尚
- 美術設定taracod
- 撮影監督金森つばさ
- CGディレクター宮地克明
- ライブCGディレクター内田博明
- 編集平木大輔
- 音楽菊谷知樹
- 音響監督藤田亜紀子
- 音響効果八十正太
- 制作CloverWorks
主人公としての後藤ひとり
後藤ひとりは、コミュ症で人見知りが激しく、友人も作れず、妄想していた「文化祭での演奏」も実現できず、中学を卒業してしまいます。
高校生になって何とかバンドを始めたいと考え、学校にギターを持ち込んだり、バンドグッズを身にまとってみたり痛めのアピールをしますが、結局誰からも話しかけられず、黙々と1人動画投稿サイトにギタープレイ動画を投稿する日々。
意気消沈し公園でブランコに揺られていたところで、後の「結束バンド」ドラム担当の伊地知虹夏に誘われて、急遽抜けてしまったギタリストの代わりにライブハウスで演奏することになる・・・
というのが第1話のあらすじです。
いわゆる人との交友が苦手な人は二分されると思います。
本当に人と関わるのが苦痛な人
承認欲求が強すぎて軋轢を生む人
主人公のぼっちこと後藤ひとりは作中の行動で判断すると後者です。
常に誰かと関わりたいと願い、自分が認められたいと思うことが行動原理になっています。そして、方法がわからず自分の行動が裏目に出る。上手くいかない。
その結果【ぼっち】になってしまったのです。
人と関わるのが苦手な本当のぼっちは、まずライブハウスなんて怖い所には近づきませんし、公園でブランコにも揺られません。直帰です。心が閉じてますから。
自覚してるかが重要で、自分はこうなりたい、関わりたい、と思っているかが重要なのです。
つまり、後藤ひとりは作中でも語られているような本当のぼっちでもありませんし、ひとりでも無いのです。ここが彼女を主人公たらしめてる部分です。
このお話は、人と関わりたいと願う不器用な【ひとり】が【みんな】になる物語なのです。
ぼっち・ざ・ろっく!広告「4人でも、ひとり。」から引用
劇中楽曲とライブシーン
このアニメには、劇中で演奏される楽曲が多数登場します。
OP曲「青春コンプレックス」やED曲「Distortion!!」など、どの曲も現代のロックとしても秀逸な楽曲ばかりです。
第1話から第3話までは「Distortion!! 」、第4話から第7話までは「カラカラ」、第8話から第11話までは「なにが悪い」、第12話ではシークレットエンディング曲が流れる等、構成にも組み込まれており、全編通して飽きません。
また、アニメと同時に発売されたアルバム「結束バンド」も、ファンにとっては必聴の音源となっています。こちらはmoraの販売チャートで数か月間トップをひた走っていました。
こちらに高音質で聴けるサブスクについてもまとめています。
3D&モーションキャプチャーを使ったライブシーンは圧巻で、楽器も実際の物を使っているという手の込みようです。制作側のインタビューで楽器が揃わないと、収録が出来ないと言っていたのには驚きました。そこまでやるか・・。
一曲一曲がストーリーと噛み合っており、この作品最大の見所になっています。
興味がある方は6話と8話は絶対に観て欲しいです。(youtubeでも公式で見れます)
キャラがそれぞれに動き、それぞれに別タイミングで瞬きします。しかも、カットも豊富で手元もしっかり写しており、ライティングも素晴らしく、これでもかとライブそのものを伝えてきます。
ライブに行ったことがある人は、これやるよね!みたいな。
あるあるもあって、感動します。
5話、緊張感ある演奏に合わせて硬めに入る。
8話、覚醒前までは、噛み合わない感じに演奏してもらい、それにつられるように。
このように話の展開に合わせて、演奏や歌唱も変えているそうで、そこに結束バンドがいるという臨場感を強烈に感じます。
ぼっち・ざ・ろっく!というアニメを見ながら、結束バンドと後藤ひとりのファンになっていく。そのような感覚が味わえます。
君に朝が降る
本作はある意味、結束バンドとしての成長物語は8話で一旦終わりを迎えます。
タイトルが回収され正体が明かされ、方向性が定まり、そして進んでいきます。
ここに向かうお話の構成には全く無駄がありません。
8話以降は、後藤ひとりの物語に収束していきます。
あくまで後藤ひとりがどうしたいか、どう思っているか。どういう結末を迎えるか。
そして、1話タイトルの「転がるぼっち」に始まり、12話「君に朝が降る」、
劇中最後の「転がる岩、君に朝が降る」に繋がっていきます。
全編アジカンリスペクトが強い作品でしたが、締めもアジカンとは思いませんでした。
アジカン後藤曰く、転がる岩とはロックンロールのことだそうです。
恐らくですが【後藤ひとりのロックンローラーとしての目覚め】を示唆してるのだと思います。
もしくは、後藤ひとり自身がロックンローラーであるという自覚をした、そのようにも捉えることができます。
あの丘を越えた先は
光り輝いたように
君の孤独も全て暴き出す朝だ
この歌詞の一部も、後藤ひとりに照らし合わせると、今いる現状から見て自分自身はどうだい?孤独だっただろう?そして今もそうだろう?
という問いかけにも聞こえます。
何かを表現するということは、孤独な自分も愛することだと。
そして、それはもはや孤独では無いのだと。
2期について
気になる2期についてですが、意外と早いと思っています。
なぜなら、本作を見返して見るとライブシーン以外でも部分的に3Dキャラモデルが利用されており、作画の効率化が行われています。
その3Dモデルが主要キャラ分出来ている以上、1期までのような膨大な時間は要しないと思うのです。
あまり原作について深くは触れませんが、ストックも十分。実はアニメ1期は2巻までの内容で、現在5巻まで出ています。
OVAを挟むのか、劇場版になるのかはわかりませんが、1期の時のように2年以上かかることは無いと思います。
2023年夏にイベント、秋にOVAかショートアニメ、2024年夏アニメで2期開始と勝手に予想しておきます。
後藤ひとり役の青山吉能さんは、歌えるアーティストとしての一面もあります。
2期が待てない人は声優さんを追ってみるのも面白いかもしれませんね。
Youtubeで実際ギターを練習して弾いたりしてます。必見です。
けいおん!との比較
女子高生が主役のバンドアニメといえば有名なのが「けいおん!」です。
「けいおん!」が軽音部の部活を主体にしているのに対して、「ぼっち・ざ・ろっく!」ではライブハウスでの活動が主体になっているところが大きな違いです。
原作者もこの部分は連載を始める際に、強く意識して差別化したそうです。
下北にあるライブハウスがメインの舞台なので、結束バンドのメンバー、店長、他バンドとの関係性が主になってきます。(2期ではさらに・・・)
けいおん!にはほとんど無かった、同時期に活動している他年上バンドとの絡み、ライブハウスのあるあるや、業界&界隈の細かい部分までしっかりと描写しています。
そして、日常という枠には収まらないコメディ要素の強い本編は、人によっては合う合わないはあると思うものの、強烈なインパクトを残します。
この点も日常のふわふわがメインのけいおん!とは少し違う部分ですね。
この記事でも徹底比較しています。
アニメファンの声
最後にユーザーレビューを引用して、肯定的な意見、そして否定的な意見もいくつか紹介します。
肯定的な意見
- 「音楽、コメディ、日常と要素的にはどれも嫌いよりなのに、ここ1,2年で一番満足度が高かった。」
- 「控えめに言って神作品。」
- 「作り手がものすごく良いものを一生懸命作ろうとして、実際に極限まで良いものを作ってみたら、それはちゃんと伝わるんだなと気付かせてくれるアニメでした。」
- 「音楽やってなくてもわかる良さがある。」
- 「個人的に一回見たらそれっきりな自分でも時間が空いたらひたすら見返しちゃうような味のあるアニメ。」
- 「引きこもり、人と関わる勇気が無い、そんな少女が悶絶しながら他人と関わっていく成長モノのアニメ。」
- 「あっという間に見終わっちゃいました!面白すぎ!」
- 「こんなにハマったアニメは何年ぶりかな。生きている間にこんなに素晴らしい作品に出会えたことに感謝しかない。」
否定的な意見
- 「主人公の後藤ひとりにイラッとする。」
- 「主人公の奇行描写がしつこく感じました。」
- 「こんな楽しい陰キャいねーけどな。」
- 「コメディシーンが寒くて見ていられない」
- 「基本的に一回見たらそれで終わりな流行のアニメって感じ」
まとめ
人によっては合う合わないがある、というより後藤ひとりとぼっちわーるどを受け止めきれるかがこのアニメの評価に大きく関わってきます。
1、2話を見てうーん・・・となった方もとにかく6話まで見て下さい。印象が大きく変わると思います。
ライブシーン、楽曲、作画、構成、どれをとっても新時代の傑作バンドアニメです。
今後もリアルイベント含め盛り上がりは続くでしょう。
音楽好きや、陰キャならロックをやれ!というキャッチコピーが気になった人は、一度視聴してみてはいかがでしょうか。
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