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【人物おさらい】
Y・・・ネットワークビジネスに誘ってきたフットサル場での先輩
R・・・Yの幼馴染で九州男児のようなイケメン
M・・・セミナー主催者であり、Yが慕う人物
謎のパーティ
その場所は昼間はカフェとして営業し、夜はレンタルスペースとして貸し出している、20人がギリギリ入れる位の小規模な路面店でした。
店の前にはすでにYとRがいます。
Y「おおー来たね!!流石レスポンス早くて助かるよ!」
R「お疲れー!今日はよろしくっ!」
しかし、他に人は見つからず、店の中を見ても何も用意されていません。
Y「これから、食材を調達しに行きます。で、俺たちで料理を作って参加者をもてなします!」
R「俺はデザート担当。Yと組んでとりあえず簡単なつまみを作って貰う。あと、お酒を買ってきて欲しい」
今からぁ・・・(汗)?と正直思いました。
もう予定の時間まで1時間半しかないんですけど・・・。
私はその呆れにも近い怒りを抑えながら、Yと業務スーパーに向かいました。
買い込むのはワイン、酎ハイ、おつまみ用のチーズと惣菜、クラッカー類、レンジで作れるドリアなど。
Yによると今回の参加者は自分達を除いて女性が10人に男性が8人、ほとんどがYとRの知り合いで、楽しいパーティにしたいから出過ぎず盛り上げてくれ。
とのこと。
買い物が終わり、会場に戻るとRが60㎝ほどのタルトを作っていました。
その手際は素晴らしくプロそのもの。
もうほとんど完成とのことで、こちらはつまみを盛り付け、酒を用意し、参加者の到着を待ちます。
そして、予定時間。
ゾロゾロと人が集まると思いきや、ポツポツとまばらに人が訪れます。
最初は女性二人組、その次は男性一人。と。
私は会費を集める役割を命じられていたので、とりあえず徴収します。
ちなみに会費は女性は3500円、男性は4000円。
30分ほど経ち結局集まった人数は、女性5名男性4名。
予定の半数以下でした。
その人数に焦ったのか、Yは血走った目で電話したりメールを打ち続けています。
流石に集まった人達も待たせてしまっているので、「仕方ない、もうやろうよ」とRになだめられ、パーティは始まりました。
パーティの内容としてはほぼ合コンのようなもので、それぞれ自己紹介をして男女の親睦を深めようという内容でした。
R渾身の一作である、締めのタルトでは歓声が上がり大盛り上がりでした。
ただ、YやRが執拗に参加者の職種や今の仕事の内容について聞き出そうとしており、そこだけ異様でした。
パーティも無事終わり、皆が帰った後キッチンで片付けをしていると、YとRが会場のテーブルの上に徴収したお金と帳簿のようなものを出しています。
小声で話しているのが聞こえたので、こっそり会話を盗み聞きました。
Y「まずいなぁ・・・場所代は割引になるとして、材料費差し引いても利益ほとんどないじゃん」
R「確かに、これはキツイな。どうする?またすぐやるか?これじゃあ資金が足りねぇぞ」
(私の心の声)
うわっ、こいつらピンハネで利益出そうと思ってやってたのかよ
確かに、場所代を教えてくれませんでしたし、材料費のレシートも見せてくれませんでした。しかし、私は事前にレンタルスペースの料金を調べており、材料費も銘柄ごとにある程度覚えていました。
大体になりますが、
レンタルスペース
一時間5000円ほどで、二時間。そして割引込みで大体8000円ほどと予想。
材料費
タルトは不明だが、おそらく4000円位。
その他つまみや酒類は18000円ほど。
計30000円ほど
集まる予定の人数で割り出した参加費の合計は。
10×3500=35000
8×4000=32000
私からもしっかり徴収したので、プラス4000円。
計71000円
そこから諸々引いて残るのが41000円。
これをYとRが分けると、一人あたり20500円。
しかし、今回の人数では、
33500円の参加費から引かれることになり、残るのは3500円。
二人で分けると一人当たり1750円になります。
確かにこれでは、交通費のことを考えるとバイトした方がましです。
彼らは、このようなピンハネパーティを開催することによって資金を補充し、仕事に不満を持ってそうな人間を物色して勧誘するきっかけを作っていたのです。
この日はそのまま解散しましたが、私はさらに沼に浸かるようにネットワークビジネスの会員の生み出す闇へと入っていくことになります。
ネットワークビジネスに勧誘された話【潜入レポ】Vol.5へ続く