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【人物おさらい】
Y・・・ネットワークビジネスに誘ってきたフットサル場での先輩
R・・・Yの幼馴染で九州男児のようなイケメン
M・・・セミナー主催者であり、Yが慕う人物
S・・・切長目のお姉さん系美人
U・・・ふわふわで明るいバラドル系女子
アップラインとダウンライン
全員の自己紹介が終わり、それぞれの歓談タイムとなりました。
お酒も次々と空になり盛り上がりを見せていると、Yの方へ眼光鋭い引退した力士のような巨体が、ビール瓶を持って近づいてきました。
O「おいY!ちゃんとしろよお前!!新入りが可哀そうだろぉ!」
Y「Oさん、す、すいません!うっかりしちゃってて・・」
O「頼むよぉー!?お前の下に入るんだろ?最初が肝心だろうが!」
一通りYを叱責した後、頭髪の薄い頭を撫でながら、満面の笑顔で私に話しかけて来ました。
O「いやーすまんな!!こいつ下に人作るの初めてなんだよ!俺はO、さっき自己紹介した通り、美容師やってまぁす!」
そう言って、ラッパーのような鋭角な握手を求められ手を交わします。
Oは話しながらYと私のコップにビールを溢れそうなほど注ぎます。
O「俺はいわゆる兄弟子で、Yとは横並びだけどおれが先輩なんだわ。もちろん俺の師匠はMさんな!他にはぁ~・・・」
ははぁ、なるほど。
話の内容で、これはいわゆるアップラインとダウンラインの関係のことだと勘付きました。
アップラインは契約メンバーを増やした人、ダウンラインは契約メンバーになった人のことを指します。
アップライン
師匠(M)
↑
直属の弟子(Y、ORSUも)
↑
弟子の弟子(私の立場)
ダウンライン
このような構成は、ツリーが延々と伸びていく【ネズミ講方式】と言えばイメージしやすいかもしれません。
ふと、他のテーブルを見渡すと確かにR、S、U、の周りにもダウンラインらしき人が数人います。
O「あと、一応言っておくけど、他の弟子と個人的に接触するのはNGだからなぁ、俺らも他所の弟子には極力関わらない、全部Yを通して関係を作るんだぞ!」
そして、Oはスイッチが入ったようにYの肩に手を回し再度叱責を始めました。
O「・・・だからぁ!!お前がもっと人を紹介して面倒見なきゃいけねぇんだよ!!なぁ!?わかるだろYよぉ。」
Y「は、はいっ、気を付けます!勘弁して下さいよ~!」
揺さぶられているYを眺めていると、SとUが私達のテーブルを訪れました。
S「本当Yはしっかりしなさいよ!せっかくいい人見つけたんだから!」
U「もうその辺で許してあげてよ~☆」
Oは「おぉう!」とうめきにも似た声を上げ、バトンタッチするように別のテーブルへと向かいました。
Sは笑みを絶やさず、私とYのコップになみなみとビールを注ぎます。
S「楽しんでる?うちの子たちを紹介したいんだけど良いかな?PちゃんとTおいで~。」
そして呼ばれたのは、小柄なツインテールの女性Pと、やせ形長身ハンチングハットで眼鏡をかけた男性Tでした。
P「あ、どうも~Pです・・・。絵描くのとか好きで専門学校通ってます。」
T「デザイン事務所で働いてます!一応武〇美出ててTって呼ばれてます。」
S「この子達なら話し合うかな~と思って。いい子達でしょ?」
なるほど、確かに話しやすい。
見た目も地味寄りでサブカル系の2人は、私にはこれ以上無い人選でした。
S「じゃあ、とりあえず連絡先交換しようか!作ってるよね?フリーメール。」
Yから事前にフリーメールのアドレスを作るようには言われており、先ほど個人的に繋がるのはNGと聞いたので疑問に思いましたが、とりあえず私はアドレスをSに提示しました。
ネットワークビジネスに勧誘された話【潜入レポ】Vol.8へ続く