はじめに
MEMSドライバーとは、平たく言うと【半導体技術を利用した超小型のうっすいドライバー】。特徴としては高域の表現に強く、低歪み、音質チューニングの幅の広さなどが挙げられます。
そして、今回SOUNDPEATSからMEMS搭載のCAPSULE3 PRO+が発表され、今手元にあるので実機含めてレビューしていきたいと思います。
MEMSドライバーの実力とは・・・!
※少し詳しく
MEMSとは主に半導体などの超精密部品のため、0.001mm単位の精度でパーツを作ることが出来る加工技術。イヤホンにおけるMEMSドライバーとは、主にシリコンウエハーから切り出したシリコン振動板に電圧をかけることで発音させる圧電(ピエゾ)方式の小型スピーカードライバーを指します。
※本記事はメーカー様より製品をご提供頂き、ユーザー目線での率直な意見、感想を元に記事を作成しています。
CAPSULE3 PRO+とは
ブランド初のMEMSドライバー採用。高効率、低歪み、高出力、低消費電力でありながら快適かつ高品質なサウンドを実現、LDACにも対応した新次元のノイズキャンセリングワイヤレスイヤホンです。
オーディオ技術の革命!MEMSドライバーで始まる聴覚体験の再定義
MEMSドライバーと12mmダイナミックドライバーを組み合わせたハイブリッド構成を採用。xMEMS製「Cowell」MEMSドライバーが高音域を駆動、再生周波数帯域を広げ、音の歪みを抑えます。
低音域には12mm径バイオセルロース製ダイナミックドライバーを使用、振幅の大きさを生かした躍動感と迫力があるサウンドを実現します。
ハイレゾワイヤレス対応、微妙な音のニュアンスも逃さない
ハイレゾワイヤレス認証を取得し、20Hz~40kHz(従来のコーデックは20Hz~20kHz)という広い再生帯域をカバーすることで、ボーカルや楽器の音を繊細に描き出します。
ハイレゾ相当の高音質を誇る「LDAC」に対応し、SBCと比べて最大約3倍の情報量を伝送。ハイレゾ音源の繊細なニュアンスを描き出します。
「Adaptive ANC」対応、リアルタイムでノイキャン効果を最適化
アクティブノイズキャンセリングにハイブリッド方式を採用、左右2つず つのマイクで的確にノイズを拾い出します。さらに最大1.8kHzの超広帯域ノイズ周波数に対応し、可聴域で最大45dBというノイズ低減効果を実現しました。
周囲の雑音や装着状態、耳の形状に応じてノイズキャ ンセリング効果を自動調整。効果的に騒音をカットしつつ、ノイズキャンセル時の閉塞感を低減します。
最大43時間再生可能、コンパクトながら圧倒的な再生時間
イヤホン単体約6.5時間(ANCとAAC有効時約5時間)、ケースと併用すれば最大43時間というパワフルなバッテリーを搭載。オンラインミーティングや旅行先など、長時間の使用でも充電残量が気になりません。
仕様
対応コーデック:AAC、SBC、LDAC
Bluetoothバージョン:Bluetooth5.3
最大持続時間(単体):約6.5時間
重量 (単体):5g
サイズ (単体):33.57×21.53×25.61mm
充電コネクタ :USB Type-C
内蔵マイク :片側3基
Adaptive ANC :対応(最大-45dB低減)
通話用(ENC):ノイズキャンセリング対応
マルチポイント:対応 ※LDACでは使用不可
ゲームモード: 対応(70ms 低遅延)※左側3回タップ
専用アプリ:PeatsAudio iOS&android対応
防水性能 :IPX4
受賞実績 :【VGP 2024 SUMMER 金賞】【VGP 2024 SUMMER コスパ大賞】
通常価格 :13880円
実機レビュー
外観
パッケージは上開きのサステナブルな外装が採用されており、本体はややマットなブラック仕上げ。金英字がワンポイントになっています。
裏面はこんな感じ。充電コネクタはUSB-C対応の急速充電仕様。
ノズルにもゴールドカラーが入っており華やか。
背面のゴールド部分をタップして本体を操作します。長押し→ANC切り替え、3回タップ→ゲーミングモード、など。
前機CAPSULE3 PROと比較しましたが、素材感がやや高級感あるマット仕上げになったくらいで、他はほぼ同じでした。
今回は中身が大きく変わったということですね、さて音質はどうでしょう。
音質
【機材】
DAP:SONY WM1AM2 ソースダイレクト
ワイヤレスイヤホン:CAPSULE3 PRO+
接続コーデック:LDAC(音質優先)
曲は主にアニソン、ロック、ジャズを中心に聴いていきます。
【帯域ごとの印象】
低音域:ウォームで量感がありドラムの響きも鋭い
中音域:ギターは遠くからボーカルは真正面から適度な厚み
高音域:硬くて金属っぽいスラッシュな音
まずは、【プラス】とのことなので前機CAPSULE3 PROとの比較から。
12mmドライバーは据え置きでMEMSドライバーが追加されたような形なので、パワー感はそのまま高音域が強化されており、前機より圧倒的にメリハリが効いています。
LDACでの情報量の多さはもちろん、煌びやかさと見通しの良さ、微細音やボーカルの表現力もアップ。テクノなどの曲でもシンセが気持ちよく、音数が多くて壮大な曲でもしっかりと追従してきます。
ウォームな低音(暖かい)とスラッシュな高音(冷たい)が共存する不思議なサウンドで解像度は高め。これがMEMSなのか、既存のドンシャリでは例えにくい。
一つ難点を上げるとすれば、キンッキンでパッキパキな高音はキツさを感じるので、ポップな曲やアニソンにはやや不向き。
音量を上げるほど【刺さり】が気になる傾向なので、合う曲と合わない曲がはっきり分かれます。
おすすめのジャンル
【合うジャンル】
男性ボーカルのロック、ジャズ、テクノ
【合わないジャンル】
女性ボーカルのロック、アニソン、キラキラなポップス
という感じなので、おすすめのジャンルは重心が低めの曲全般。
特に男性ボーカルのJロックはかなりマッシブでキレキレに聴こえるので雰囲気が最高です。
高音域が得意になったとはいえ、それがボーカルの表現力に直結するというよりは、臨場感を出す方へ意識が向いているチューニングに感じました。
着け心地とノイキャン
前機と形状は変わっておらず、本体も軽いので着け心地は良いです。
ノイキャンについてはあくまで個人的な感想になりますが、めっちゃ進化してるという印象。
実際、スペック上43dB→45dBカット、最大1.8kHzの超広帯域ノイズ周波数に対応など明確に進化しているのですが、なによりノイキャンに入るときの自然さが凄い。
外耳道の構造と装着状態を検出するアルゴリズムが導入されたとはいえ、このふわっとノイズが消える体験には驚きました。
利便性と快適性を重視するノイキャンワイヤレス製品として、新たな強みになっていると思います。
価格について
通常価格は13880円。
MEMSドライバー搭載機の相場がまだはっきりしていないのですが、高解像度のハイブリット構成であり高級機レベルのノイキャンというだけでも元が取れる製品だと思います。
解像度の高さ、接続性の良さ、快適なノイキャンを求めている方にとっては間違いなくコスパの良さがありますよ。
まとめ
結論としては【新鮮だけど思ったより癖強い!】という感想になりましたが、アプリやイコライザーでも調整が効くので、対応する音の幅の広さも魅力なのかもしれません。※今回はあえて何もいじりませんでした。
ガジェットとしての進化は明白で、接続性の良さに加えノイキャンも素晴らしく低遅延モードも搭載しているので、今後音楽に映画にアニメに大活躍してくれそうです。
なにより、ブランド初の【新技術搭載】なので、その新鮮さを真っ先に体験してみてはいかがでしょうか。
本記事は以上です。
お読みいただきありがとうございました。
【関連記事】
前機のレビューです。
ゲーミングモードやアプリについてはこちらで詳しく書いてます。
こちらは「ながら聴き」が出来るオープンイヤータイプのレビューです。