はじめに
ハイエンドに求めるものとは・・・
ブランド独自の技術、所有欲を満たしてくれるデザインや素材、拘り抜かれた高音質など。
人によって変わりますが、20万円~30万円のオーディオ製品はそのどれもを満たしてくれる、ロマン溢れる価格帯です。
今回はそのようなオーディオファンなら一度は手に入れてみたい、憧れのハイエンドイヤホンを5つ紹介したいと思います。
- はじめに
- 憧れのハイエンドイヤホン5選
- まとめ
憧れのハイエンドイヤホン5選
Sennheiser IE900
ゼンハイザーの持ちうる全てのクラフトマンシップを発揮し、音質の追及に一切の妥協無く、デザインとエンジニアリングを最高レベルで調和させたフラッグシップイヤホンです。
高価格帯としては珍しいダイナミックドライバーオンリーの構成ですが、その一基を活かすための設計とチューニングは、広大な音場と澄み切った高音、まさに「自然さ」を突き詰めた最上のサウンドを実現しています。
今回紹介する中では、最も装飾が少なく「実用性」に全振りされている硬派なイヤホンでもあります。
尖った個性を持ったイヤホンに比べるとやや地味に見えますが、コンサートの空気感を再現し、原音に忠実な音楽体験を目指すゼンハイザーの哲学が詰め込まれています。
ドライバー構成:ダイナミック×1
インピーダンス:16Ω
イヤホン端子:MMCX
プラグ形状:3.5mm、2.5mm、4.4mm
参考定価:214500円
シングルダイナミックドライバーで奏でる音の極み
ダイナミックドライバーを1台にまとめることで、マルチドライバー特有の周波数のオーバーラップが起こす位相のずれや歪みの無い繊細な再生が可能に。
X3Rテクノロジーとして、アルミブロック削り出しハウジングに3つのレゾネーターチャンバーとアコースティックヴォルテックスを搭載し、マスキング効果を抑えることに成功しています。
【TrueResponse】トランスデューサー
自社開発の高性能7mmシングルドライバーは左右の位相の良さ、全帯域におけるつながりと繊細な音の再現性、雄大なまでに広がるサウンドステージが特徴。
そして、キレと重厚感のある低音と澄み切った中音域、一切の曇りもない美しい高域を耳に届けます。
アコースティックバックボリューム機構
こもりのない低域から耳に刺さることのない高域、透明感のある音質。
その実現のために低域と中域を分離し、低中域の周波数精度を高めるためにアコースティックバックボリューム(ヴォルテックス)を実装。
トランスデューサー内を移動する空気の方向と量をコントロールすることによって、細部まで計算しつくされたクリアで自然なサウンドを生み出します。
高い快適性と高耐久性
アーティストがライブで使用するようなプロレベルのフィット感を実現。デスクワークから、電車の中、散歩中でも変わらない上質なリスニング体験を届けます。
ゴールドプレート加工のMMCXコネクタは高い接続性を誇り、ケーブルは特殊素材(パラアラミド)により数千回の折り曲げに耐えることができる高耐久性仕様です。
SONY IER-Z1R
ソニーのハイエンド製品群「Signature Series」として、音響技術を余すことなく注ぎ込まれた、究極の空気感を実現するリスニングイヤホンです。
3つのドライバーユニットから奏でられる音は、分離感と空気感を最上のレベルで調和。「コンサートホールの最前列」のような濃厚で広大な音場を感じることが出来ます。
本体はジルコニウム合金にペラルージュ加工が施されており、クラフトマンシップを感じる煌びやかな出来栄え。高級腕時計のような所有感と高耐久性を実現しています。
ソニーらしいブランドストーリーと、挑戦的なドライバー構成、そして見た目の美しさ。【音を聴くだけでなく、感じる】そのような領域まで挑戦しているフラッグシップ機です。
ドライバー構成:ダイナミック×1、BA×1、超小型ダイナミック(トゥイーター)×1
インピーダンス:40Ω
イヤホン端子:MMCX(SONY独自)
プラグ形状:3.5mm、4.4mm
参考定価:253000円
音場を感じるための”空気感”の実現
- 低から中高音域を再生する12mmダイナミックドライバー
- 高音域を再生するマグネシウム振動板採用BAドライバーユニット
- 100kHzの超高音域再生を実現する5mmダイナミックドライバーユニット
3つの異なるドライバーの長所を組み合わせた新しいHDハイブリッドドライバーシステムを搭載。沈み込む低域と繊細な中高音域を両立し、超高音域から微小な音も逃さず表現します。
音の分離感を実現するリファインドフェイズ・ストラクチャー
3つのドライバーユニットを1つのインナーハウジングに搭載され、経路内の音の伝わり方が緻密に調整されています。
位相を最適な状態にすることで、楽器本来の音色を再現すると同時に、今までにないような音の分離感を実現。また、インナーハウジングにマグネシウム合金を採用することで、各ドライバーユニットの不要な振動が徹底的に抑え込まれています。
自然な音の繋がりを可能にするサウンドスペースコントロール
ドライバーユニットの後方に設けた空間に極細の音響管を接続することで、振動板背面の通気を精密にコントロール。最適なバランスの豊かな中音域と、低音域から高音域にかけての自然な音のつながりが可能になり、広がりのある音場が再現可能になっています。
安定した装着性と外観へのこだわり
3種のドライバーユニットを最適配置し、耳にかかる圧力を分散することで、快適で安定する装着性を実現。ハウジング部分には非常に高い硬度と耐食性を持つジルコニウム合金が採用され、さびにも強い耐久性を実現しています。
フェイスプレートには、高級腕時計にも用いられる、地金に研磨で繊細なうろこ模様を施すペルラージュ加工が施され、所有感を高めるようなデザインに仕上げられています。
JVC KENWOOD Victor HA-FW10000
WOODシリーズ発売10周年を記念して制作されたフラッグシップモデル。
Victorの複雑な歴史とともに10年間模索され続けた「原音探求」の新境地となっています。
発売されたのは2018年ですが毎年評価され続け、2024年度のVGPハイエンド部門の金賞にも輝いています。
空間表現、そこに確かにある多彩な音。
そのようなコンセプト通り、自然な音場特性と音像の不安定さが無い、密度の高いくっきりとした上品なサウンド。
ハウジングは日本伝統工芸士による漆塗り仕上げ、ドライバーには日本産楓のウッドドームカーボン、吸音材に阿波和紙と絹綿が採用されており、日本のフラッグシップ機としての拘りが詰まっています。
Victorの技術の集積と木と職人の手作業のぬくもりを感じる本機は、長く愛され続けていることに納得のフラッグシップです。
ドライバー構成:ダイナミック×1
インピーダンス:16Ω
イヤホン端子:MMCX
プラグ形状:3.5mm
参考定価:220000円
忠実な再生を実現するハイエナジー磁気回路
駆動力とリニアリティを大幅に向上させたハイエナジー磁気回路により、原音に忠実な再生を実現。また、軽量なCCAWボイスコイルによる振動板の正確な振幅が、繊細なニュアンス表現を可能にします。
さらに、強度に優れるチタニウム素材のドライバーケースを採用し、音の雑味を排除するとともに、独自設計のアキュレートモーションエアダンパーにより振動板の正確な動きを実現しています。
新開発ステンレスノズル&アコースティックピュリファイアー
高い強度を持つステンレスノズルにより、音の雑味を排除し、高解像度でピュアなサウンドを実現。
また、分解能を改善し自然な音の広がりを再現するため、当社独自のスパイラルドットイヤーピースの技術を応用し、ユニット前面に不要な音を拡散するドットを効果的に配置したアコースティックピュリファイアーを採用しています。
日本伝統工芸士が手塗りで多層漆塗りを施した深みのある光沢仕上げ
「音を奏でる楽器」をモチーフに、ハウジングとスタビライザーには和楽器にも用いられる漆塗りを採用。
日本伝統工芸士の漆塗り職人が一つ一つ丁寧に多層塗りを施し、深みのある光沢に仕上げました。木の美しさと精緻なメタル素材の組み合わせにより、フラッグシップモデルにふさわしい上質なデザインに仕上がっています。
楓、漆、阿波和紙、絹など、厳選した天然素材を採用
ハウジングとウッドスタビライザーには、さまざまな木の素材の中から今回の商品開発で追い求めた響きの実現に最も適した日本産の楓を採用。
楓本来の響きを引き出すために、無垢材から精密に削り出し加工を行い、さらに硬度の高い漆塗りを施すことで響きを調整し、クリアで自然な響きを実現しています。さらに、吸音材には天然素材の阿波和紙と絹を採用し、あたたかく美しい響きが再現されています。
64 AUDIO Nio
ハイエンドといえば真っ先に思い浮かぶポピュラーブランドは「64 AUDIO」ではないでしょうか。
Nioとは、スウェーデン語で数字の「9」を意味し、その名の通り9mm径のダイナミック型ドライバーと8基のBAドライバーで構成された9ドライバー構成。
ダイナミック型ドライバーの豊かな低音が下支えし、他他8基のBA型ドライバーが鮮やかで立体的なサウンドステージを奏でます。
歪みの無い高音と雄大な低音が組み合わることで、あらゆるジャンルの音楽を何時間でも楽しませてくれます。
鼓膜にかかる空気圧を低減する「apex機構」もブランド独自の技術。
イヤホンの筐体に搭載し、モジュールを介して空気圧を外へ逃がすことで、疲労感を軽減、難聴リスクも減らします。
様々なハイエンドが市場に出続けても、Nioの自然な低音と広大な音場の広さは最上級レベルなのは変わらず、64 AUDIOの最高傑作とも呼ばれる渾身のハイブリッド型イヤホンです。
ドライバー構成:ダイナミック×1 BA×8
インピーダンス:6Ω
イヤホン端子:Custom 2pin
プラグ形状:3.5mm
参考定価:285000円
革新的新技術「tia テクノロジー」で音質を飛躍的に向上
tia(Tubeless In-ear Audio)テクノロジーとは、従来までのイヤホン設計であるバランスド・アーマチュア型ドライバーに音導管を使用し、音導管を通して音導孔から音を出すというイヤホン設計そのものを革新させる新技術です。
音導管を使用しないことで、音導管内部で起こる音の共鳴問題やフィルター(ダンパー)を使用する事による音の減衰問題など、音質を劣化させるこれらの要因を排除し、ドライバーから発信される本来の音を直接耳まで届けられるようになります。
tiaドライバーを活かすシングルボア・デザイン
シングルボアデザインを採用することで、音導管による音の共鳴を排除することができる「チューブレス設計」を可能にし、「tiaドライバー」のポテンシャルを最大限引き出します。
この大口径音導孔は、それ自体が音響形成チャンバー(アコースティックチャンバー)となり、サウンドチューニングの要としても機能し、より正確なチューニングが可能となります。
鼓膜にかかる空気圧を低減する「apex」
外耳道をイヤホンで塞いだ際、イヤホンのスピーカーは空気圧(音圧)を生成し、耳の疲労を引き起こしたり、時には難聴につながるリスクを引き起こします。
apex(Air Pressure Exchange Technology)は、そういった難聴リスクを抑える為に開発された技術です。
イヤホンの筐体に搭載することで、本来であれば鼓膜にかかり続けるはずの空気圧を外へ逃がすことで鼓膜への負担を軽減し、長時間リスニングによる聴覚疲労も軽減、聴覚をより長く保ちやすくなります。
モダンな螺鈿デザインが宝石のように美しく輝くフェイスプレート
Nioに採用された堅牢なアルミニウム筐体は人間工学に基づき設計され、ユニバーサルモデルとして多くの方の耳にフィットするよう設計されています。
フェイスプレートは、宝石のように美しく輝く螺鈿加工が施され、音だけでなく外観にも魅了されます。
qdc Hifi Gemini-S
qdcといえばSUPERIORが有名なので、ハイエンドに興味が無い方でも名前くらいは聴いたことがあるブランドだと思います。
幅広いユーザーにqdcを知ってもらうことが目的でエントリーイヤホンを開発したそうなので、戦略がハマっているのは凄いですよね。
そのようなqdcの中でも、Hifi Gemini-Sはリスニング用に特化したハイエンドモデルです。
片側8基のBAドライバーが生み出すサウンドは、ニュートラルで歪みが無くこれぞリスニング用という美しいボーカルと高音の煌めき、そして低音から中高音までの自然な繋がりを実現しています。
Geminiとは双子と言う意味ですが、その名つけの元になったのが「チューニングスイッチ・テクノロジー」。
低音(強)とノーマルを簡単にスイッチで変更可能、クラシック、エレクトロからジャズ、ロックまで双子座を意味するデュアルトーンを一台で楽しむことが出来ます。
万能機といえる音質と機構を備えているので、初めてのハイエンドにも向いている懐の深いオールラウンダーです。
ドライバー構成:BA×8
インピーダンス:25Ω
イヤホン端子:qdc 2pin
プラグ形状:3.5mm、2.5mm、4.4mm
参考定価:299200円
片側8基のマルチBAドライバー構成
Hifi Gemini-Sは、音楽愛好家向けリスニング用に特化したHifiシリーズのハイエンドモデルです。3wayサウンドチャンネルと4wayクロスオーバーを採用し、片側8基のBAドライバーを搭載。qdc独自の音響キャビティ設計を採用し豊かなサウンドステージを実現しています。
独自のチューニングスイッチ・テクノロジー
qdc独自のチューニングスイッチ・テクノロジーを採用。Hifi Geminiは1つのチューニングスイッチを搭載し、低域を変化させ、双子座を意味するデュアルトーンを歪みなく楽しむことが可能です。シンフォニーのバランス感やディテール、ジャズの魅力、エレクトロのスピード感、ロックの刺激も1台で楽しむことができます
3in1プラグ採用ケーブルと柔らかいイヤーピース
Hifi Gemini-Sの標準ケーブルは、導体に純銀と純銅を使用し、3in1マルチプラグを採用。付属の3種類、3.5mm3極アンバランス、2.5mm4極バランス、4.4mm5極バランスを簡単にプラグ交換で切替が可能です。
まとめ
いかがだったでしょうか?
ハイエンド帯と呼ばれる中で、発売後も長く愛されている定番品を中心に選んでみました。
20万円を超えると10万円クラスで感じているであろう性能的な不満点はほぼ無くなり、筐体も高級感があるので価格以上の価値を持ちます。
芸術、文化、歴史、技術、そのすべてが詰まっている。
それがフラッグシップでありハイエンド製品の魅力でロマンです。
オーディオ趣味のステップアップ、自分へのご褒美など、良かったらハイエンドイヤホン選びの参考にして下さい。
本記事は以上です。
ありがとうございました!
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