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沼の深みへようこそ!NEO iDSD3 実機レビュー【iFi audio/据え置き/ヘッドホンアンプ/K2HD】

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はじめに

沼の入り口と言えばZENシリーズですが、NEOシリーズはその上位機にあたるiFi audioホームリスニングの主力機。

 

10~18万円のヘッドホンアンプが乱立してる中で、ハイコスパかつ豪華なDAC構成や機能を備えたものもありましたが、結局「良い音」と知っている安心感と扱いの慣れでNEO iDSD3を購入しました。

 

ZENDAC3のレビューで上位価格帯も気になると書いてましたが、ぬるっとアップグレード。沼って沈むんですよね、気づいたら肩口くらいまで。

沼の底としてはPhantomシリーズがありますが、50万を軽く超えて来るので流石にそこまで覚悟はキマっていない。

 

ということで、今回は音質からフィルターやアプリ、アップデート方法も交えて、NEO iDSD3の実機レビューをやっていきたいと思います。

よかったらヘッドホンアンプ選びの参考にしてください。

NEO iDSD3 実機レビュー

外観デザイン

パッケージはシンプルなホワイト基調。

側面には機能とライセンスがずらっと並んでて、K2/K2HDとaptX Losslesの文字にテンションが上がります。

本体横置き、シルバーではなくオールブラックに踏み切ってくれて本当良かった。

このデスクトップで何も邪魔しないカラーとデザインが最高に格好良いです。

裏面、RCA入出力、S/PDIF同軸、S/PDIF光、USB-B 3.0。電源はACアダプター。

スタンドを使うと縦置きが可能。私はスペースを取らないこの縦置きで運用します。

こちらは全ての付属品。

サイレントパワー(ACアダプター)、スタンド、各種ケーブル。コントローラー、説明書。小さい薄透明のボタンシールみたいなのは、横置き用の滑り止めです。

サイレントパワーの規格はVer.2で12V。電源要件のちょうど中間。

接続用ケーブルが47.5cmしかなかったので、1500円くらいの量販店で売っている1mのUSB3.0 A to Bケーブルで接続しています。(2.0ケーブルでも問題なく起動&出力を確認済ですが、メーカー推奨は3.0)

これだけでPCとのセッティングが完了するので手軽で省スペースですね。

主な仕様

項目 内容
製品名 NEO iDSD 3
発売日 2026年4月17日
価格(税込) オープン(実売価格178,200円前後)
DAC Burr-Brownチップセット採用カスタムDACステージ
アナログ入力 シングルエンドRCA(L/R)
デジタル入力 Bluetooth 5.4、USB-B 3.0、S/PDIF同軸、S/PDIF光
Bluetoothフォーマット aptX Lossless、aptX Adaptive、aptX、LDAC、LHDC/HWA、AAC、SBC
対応サンプリングレート 768kHz PCM、DSD512(22.6MHz)
ヘッドホン出力 4.4mmバランス、6.3mmシングルエンド
ヘッドホン出力インピーダンス ≤1Ω、iEMatch有効時は≤7Ω
ヘッドホン出力RMS 4.4mm:≥12.7V / 2,532mW @64Ω(RMS)
6.3mm:≥8.4V / 2,244mW @32Ω(RMS)
ライン出力 XLR:≤19.5V(可変)、4.4V(固定)
RCA(L/R):≤10.5V(可変)、2.2V(固定)
ライン出力インピーダンス XLR ≤102Ω、RCA ≤51Ω
SNR+DNR ≥120dB(A) @ -60dBFS
THD+N ≤0.0015% @ 0dBFS
主な機能 K2 / K2HD、XSpace、XBass II、iEMatch、iFi Nexisアプリ対応
電源要件 DC 9V / 1.5A~15V / 0.9A(センタープラス)
寸法 214 × 158 × 41mm
重量 916g
付属品 ステレオRCAケーブル/3.5mm to 6.35mm変換アダプター/iPower 2(DC電源)/USB 3.0 Type-A to Bケーブル/アルミ製リモコン/縦置き用アルミスタンド/クイックスタートガイド

音質

機材は、PC(Win11)→NEO iDSD3、ADX3000を6.3mmアンバランスで有線接続。

エイジングは50時間~、この項目ではフィルターをビットパーフェクト、ノーマルゲイン。曲のジャンルは、ロック、アニソン、ジャズ。

 

基本的な音質はウォーム寄りのフラット

それでいて、高域が少し強調されているので、決して低刺激な音にならないという、独特の聴感になっています。

 

ZENDAC3と同じくNEO iDSD3も洋楽がピッタリで、女性ボーカルのブレスが綺麗に流れて空気を震わせるような表現は秀逸。

上手く差し引きして気持ちの良い音を残しているZENDAC3に比べると、情報量多く描き切ろうとするので、より滑らかで自然に聴こえます。

 

ジャズのハイハットやシンバルも繊細で、低域の厚みもあってドラムのリズム感が最高、金管も弦楽器も空間にスコーンと抜けて響くので気持ちいい。

 

ADX3000との相性としては、ほぼ完璧。

ヘッドホンの個性を上手く残しながら低域も高域も聴き心地良く整えてくれるので、アップグレードして良かったです。

K2/K2HD

結論先に置いときます。(長いので)

【高域復元アップサンプリング&立ち上がり向上&適度な余韻(K2HD)】

【音楽にソウルを取り戻すフィルター】

【聴き疲れはするので普段はオフ推奨】

 

さて、目玉機能ですね。

ここがクセありなので、先にちょっと説明を。(本当に長いので興味ない方はスキップ推奨。)

 

このK2テクノロジー自体はいわゆるアプコン系として語られ、JVCケンウッドも広い意味ではデジタル化の際に損失した音を復元しアップサンプリングする技術として紹介してます。

 

ただ、本機においては少しだけ扱いが変わっており、

・K2=音質復元(指定サンプリングレートまでの)

・K2HD(GTO)=最大192KHzのアップサンプリング

というのがざっくりとした分け方。

 

ここでGTO?と思った方もいると思います。

このGTOとはギブズ・トランジェント・オプティマイズド、iFi Audio謹製のアップサンプリング技術。(本機では352KHzまでアップサンプリング)

 

なんでくっついているのかというと、挙動と公式の説明から推測するに、GTOがアップサンプリングを担当しそこにK2テクノロジーが乗っかっている。

要は合わせ技ということらしい。

 

実際、K2HDを選択すると自動的にGTOが適用され、このGTO適用以外ではK2HDは選択出来ません。逆にK2はGTO以外の他フィルターと流動的に選択が可能で、あくまでK2は音質復元を担当してるということになります。

 

つまり、本機のK2HDは一般的に語られるJVCケンウッド単体テクノロジーとして考えると若干のズレを起こす可能性があるということ。

 

まず最初にK2HDをオンにした時、一般的なアップサンプリング技術と比較して感じたことは「リズムの違い」でした。

高域が強化されボーカルの表現力も自然に向上、生録のように聴こえることは確かなのですが、どうも裏拍取りたくなるといいますか、リズムが腰にくる雰囲気を纏うといいますか。

 

気になったので、GTOに関して公開されているテックノートを読み込んでみたところ、どうやらGTOの本質は「立ち上がり」と「余韻」の扱いにあることがわかりました。

 

本文に従って要約すると、「プリリンギングを避ける」「ポストリンギングは短く収める」、そこが人間の可聴域と音のタイミングと感じ方について大きい影響を与え、デジタル感の正体にもなっている。

みたいな感じ。

 

出典:iFi audio GTO filter Tech Note PDF→https://downloads.ifi-audio.com/wp-content/uploads/2019/04/iFi-audio-Tech-Note-The-GTO-Filter.pdf

※雑に訳すと、プリリンギング→音が出る前の微少な揺れ、ポストリンギング→音が出た後の微少な揺れ。

 

アップサンプリング、デジタルフィルター適用下であっても、自然と人間の耳に聞こえるようにして、音楽的には立ち上がりを良くし、気持ちの良い余韻を残す。

これがGTOのアップサンプリングだけではない、本質的な理解になると思います。

 

表記上のK2HD(GTO)。

この(GTO)の意味もそこにあって、音質復元とアップサンプリングを複合で行いながら、iFi audioの理想とする音を実現する

両社の思想が上手く重なった技術であり、タダ乗りしているわけじゃないということ。

 

私はこの機能は「音楽にソウルを取り戻すフィルター」だと思っています。

確かに、楽曲によっては効果があまり感じられないものもありますが、たとえば打ち込みのアニソンでも、60年代のジャズでも、今真新しくリマスタリングされたかのように新鮮味を感じることが出来ます。

 

「プレパラート」や「Daydream café」にグルーヴを感じたのは初めてですし、フランク・シナトラとカウント・ベイシーの「Fly Me To The Moon」を聴いて、あれ?リマスター?昨日収録されました??みたいな感情になることも。

 

すべてCD音源からのアップサンプリングなので、その効果はより大きく感じます。今のサブスク時代で気軽にこの音が聴けるなら文句の付けようが無いですね。

 

デメリットとしては、この機能を使うと曲によっては余計に刺さったり、高域のディティールが強化されるのでそれなりに聴き疲れします。

私は素晴らしい機能だと思う反面、ピーキーすぎるので普段はオフ。

 

とはいえ、この選択肢があるだけで「どの曲に使おうかな」と退屈しそうにないので、音楽を聴く楽しみが一つ増えて儲けものです。

その他フィルターや機能

【フィルター】

スタンダード:やや高域(特にボーカル)を目立たせながらバランスを取ったiFiが考えるベーシック。

ビットパーフェクト:フィルター無し、他の処理も無し、傾向はフラットで素の音質傾向が味わえる。

GTO:352.8/384kHzへアップサンプリング、iFiスタンダードのアップサンプリングなので汎用に近い。

ミニマム:ゆるいスローロールオフで、高域の落ち方がややなだらかになり、全体的にほんの少し重心が落ちる、ソウルミュージックやジャズなどに最適。

【機能】

XBass:シンプル低域強化、特に開放型ヘッドホンに最適。映画やアニメ鑑賞にも。

XBass(プレゼンス):ベースと名前が付いてるがこれは中高音域強化、いわゆる「スポークンワード」が最も近い。ボーカル曲やラップ、アニメやドラマにも最適。

XBass(XBass+プレゼンス):極端にドンシャリっぽくなる。味変やフラット傾向のモニターヘッドホンでリスニングしたい時向け。

XSpace Matrix:スピーカーで聴いているような音場を自然にヘッドホンで再現する。映画鑑賞に最適。音楽鑑賞としてはやや高域が変に刺さる印象がある。

おすすめジャンル

【合うジャンル】

洋楽、ジャズ、ロック、サントラ系

【合わないジャンル】

J-POP、アニソン

 

特にジャズからフュージョン、そしてアシッドジャズ、このへんは大ハマり。その流れで、ペルソナ5のサントラもかなり相性が良い。

ウィントン・マルサリスの「The Wonderful Word of Louis Armstrong」が今の所最もNEO iDSD3×ADX3000の組み合わせで聴くことが好きなアルバムです。

 

THE BREAKS「The Breaks」、デュラン・デュラン&ナイル・ロジャース「Free to Love」、などソウルだったりファンクな曲もいいですね。

女性ボーカルだと、ダイアナ・クラール「When I Look In Your Eyes」あたりは鉄板と言う感じ。

 

合わないジャンルとしてJ-POPとアニソンを選びましたが、これは洋楽やジャズがハマりすぎていて、その比較でどうしても物足りなさが出て来るということ。

意外とボカロもいけたり、デリコの「LOVE PSYCHEDELICO NAKED SONGS」などや、男性ボーカル曲はむしろおすすめに入るので、あくまで傾向ということでご理解下さい。

スピーカー接続

AT-SP3Xと有線(RCA)で接続し聴いてみましたが、ZENDAC3と比べるとより滑らかで音場の広さも感じます。情報量の多さも活かされており、スピーカーリスニングであっても本領発揮します。

 

ただ、若干ボトルネック的にスピーカー性能がマッチしておらず、高域の余裕が感じられないことが気になりました。

価格帯がもう少し上のスピーカーで聴いた方が合うのでしょうが、フィルターを「ミニマル」に設定するとそのような印象が消えるので、ハイコスパ系と組み合わせるならおすすめです。

 

※ヘッドホンとスピーカー(RCA)の両出力は不可、「有線接続」の項目にまとめられるので、どっちかと外さないと音が出ません。PCに繋いでスピーカーとヘッドホンを都度切り替える用途には向きません。

無線接続

無線に関してはかなり接続性が良好。

AT-LP70XBTとaptX adaptiveで繋ぐのも一瞬でしたし、途切れも無し。WM1AM2からLDACで繋いでも室内ではありますが途切れずに安定しています。

 

もちろん、スマホからAACやSBCで接続して、NEO iDSD3側でK2/K2HDでアップサンプリングすることも可能で気軽に高音質が味わえます。

 

PCを落とした後にNEO iDSD3とスマホさえあれば音楽が聴けるので便利です。

この点はPCと電源が連動していないことのメリットでもありますね。

アップデート方法

https://apps.apple.com/jp/app/ifi-nexis

ZENDAC3では超大変なアップデートでしたが、NEO iDSD3は「iFi Nexis」アプリ経由でアップデートが可能。

日本語対応してませんが、無いよりはマシということで。(試行錯誤で30分以上かかりました)

 

環境はipadで、Bluetooth接続済。オンライン登録済、非登録で出来るかは試していません。

以下の画像は登録後の画面なのでそこはお許しください。

右上のちっさいプラスをクリック。

一番上のIotをクリック。

 

wifi設定がでてくるので、パスワードを入力して登録。

これは、DSD3本体にwifiを登録する作業です。そして、今のバージョンでは5Ghzだと失敗するので2.4Ghzで繋ぎましょう。端末も合わせて下さい。

その後の画面でiDSD3が出て来るので、登録するとこのようにNマークが付きます。

ネットと繋がったよ~ということですね。

先に右上の点をクリックし、表示されるソフトウェアアップデートを選択、自動でスーパーリモートに変わり、アップデートへと進みます。

※自動でスーパーリモートに変わらない場合は先に変更してください。

※アプデ後ネット登録を解除したい方は一番下のデリートで登録解除してください。

はい、ソフトウェアが生えて来たので、アップデートします。

するとiDSD3にも表示されるので、終わるまで待ちます。

 

で、下に書かれているバージョン(1.25)が最新版です。アプデ後表示されている上のバージョン(1.20)を再度押すと一個前にロールバックするので注意。

本体のメニューからもバージョンの確認が出来るので、合わせて確認してください。

細かい補足

  • 電源オンオフは物理ボタンかリモコン、2秒で落ちて2秒で復帰する。PC電源との連動機能は無し。

  • K2HD、K2、GTOはyoutubeや各社動画サイトで適用可能、遅延も今の所無し。XspaceとXbass、K2HDもすべて併用可。

  • K2単体は44.1〜96kHzまで。96kHzを超えると自動的にK2HD(GTO)が適用され、K2HD(GTO)適用状態で96kHz以下になるとK2に戻る。そして、192kHzを超えるとビットパーフェクトに切り替わりK2HDは無効化される。
  • イヤホンでのバランス接続も本機は快適、ゲインのiEmatchを使えばSE846(9Ω)でもノイズレスで無理に音量を上げなくてもリスニングが楽しめます。

  • フィルターや付加機能は高域に影響が大きいものばかりなので、フルで本機を楽しみ切るなら、ヘッドホンの選択としてウォーム系やフラット系がベターになると思います。

  • 電源オフ状態で純正のACアダプターから給電されている場合、かなり小音ですが本体から「ジーーーッ」とノイズが出ます、オンにすると無くなるので音楽を聴く面では問題はありませんが、設置場所次第では気になるかもしれません。
  • Windows用ASIOドライバーについては、当ブログのZENDAC3の記事を読んで頂くか、Windows用ASIOドライバー | iFi audio 日本語ブランドサイト←こちらから直接ダウンロードしてください。公式サポートは終了しているので自己責任でお願いします。※日本語ページでは対応表示がありませんが、英語ダウンロードハブでは5.57が対応として表示されています。動作は確認済み。

まとめ

雑にまとめてしまうと、洋楽好きはGO、邦楽好きはステイ。

無個性のふりをした洋楽特化のクセ強ヘッドホンアンプという印象です。

 

現行で10~18万円で多数のヘッドホンアンプが出ていますが、洋楽を聴くという点において、特にジャジーな女性ボーカル曲に関してはどのブランドも敵わないような強みを感じます。

 

もし本体に多バンドのイコライザが搭載されていれば、完璧に近かっただけに少し勿体ない気もしますが、そこはユーザーが対応すべきポイントなのでしょう。

 

無理に多機能化して余所見せず、下地を整えて質の高いリスニング、あとはフィルターとアップサンプリングをお好みでどうぞ。という。

今の流れに乗りきならない部分も「らしく」て好きですね、あくまでiFi audioのスタンダードを突き詰めたヘッドホンアンプです。

本記事は以上です。

お読みいただきありがとうございました!

 

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