はじめに
深夜のラーメン番組や、スイーツ特集、SNSでのコンビニ爆買い投稿など。夜中やダイエット中の人にもお構いなく無差別に食欲をわかせる罪深い行動。
いわゆる「飯テロ」。
今回はそのように読むとお腹が空いてしまう、料理と食事の魅力に溢れた異世界グルメ漫画を紹介します。
すべてファンタジー世界が舞台になっており、最後に紹介する作品以外は「なろう発」の小説原作コミカライズです。
※画像の著作権は全て著作者及び著作団体に帰属します。
異世界食堂 洋食のねこや
ヤミザワ・モロザワ (著), 犬塚 惇平 (著),エナミカツミ (著)
絵:☆☆☆★★ 物語:☆☆☆☆★ キャラ:☆☆☆☆☆
あらすじ
オフィス街に近い商店街の一角にある洋食屋「洋食のねこや」は、平日は普通の食堂だが、土曜日だけは扉が異世界につながる不思議な店だった。
ある日、家を追われて放浪していた魔族の少女アレッタが厨房に迷い込み・・・。
食堂を舞台にした異世界群像劇
この漫画には主人公というものは基本的にいません。
メインキャラとして店主とアレッタがいますが、来店する異世界人視点でストーリーが進み、毎話一話で完結します。
メインストーリー的な目的めいたものはありませんが、話数が進むにつれてそれぞれの話が相互に作用し、世界の謎やキャラクターのことを詳しく知れるような構成になっています。
出てくる料理は主に洋食ですが、時には中華やスイーツも出てきます。
そのどれもが日本人にとって一度はファミリーレストランで食べたことのあるようなメニューばかりですが、異世界人にとっては未知の味です。
料理の描写も美味しそうですし、何より異世界人の反応が新鮮でとても良い!
深夜に読むとふらっとコンビニへ行ってしまいそうになる、「美味しく食べるキャラクター達」に魅力のある作品です。
※ちなみにコミカライズは二種類刊行されていますが、今回紹介した後発の「異世界食堂 洋食のねこや」の方が絵柄がアニメ版に近いのでおすすめです。
異世界居酒屋「のぶ」
ヴァージニア二等兵 (著), 蝉川 夏哉 (著),転 (著)
絵:☆☆☆☆☆ 物語:☆☆☆☆☆ キャラ:☆☆☆☆★
あらすじ
京都にある寂れた商店街の一角でオープンしたはずの小料理居酒屋「のぶ」。しかしなぜか店の表口は、異世界である帝国の古都・アイテーリアと繋がっていた。
大将としのぶの2人が切り盛りするの店内、また時には店外で、様々な事件や出来事が今日も起きていく。
トリアエズナマとオトーシ文化
異世界食堂と若干似た世界観ですが、実はこちらが元祖。
こちらも毎話訪れる客目線で進んでいき、異世界での人間関係やちょっとした事件が、大将としのぶに関わって来るという内容です。
奇をてらってない、安心の展開とストーリー構成はまさに、
「こういうので良いんだよ」という漫画です。渋い。
序盤は地味なように見えて、だんだんと人間関係が複雑に絡み合い、大きな影響を街に与えていくので、なろう作品らしい爽快感もあります。ただの居酒屋がなぜ!?というやつですね。
料理の描写も圧倒的な画力で描かれ、苦手な料理だったとしても美味しく見えるほど。和食が多いのもポイント高いですね。
居酒屋好きなら、トリアエズナマがすぐに飲みたくなること間違いなしです。
とんでもスキルで異世界放浪メシ
赤岸K (著), 江口連 (著), 雅 (著)
絵:☆☆☆☆☆ 物語:☆☆☆★★ キャラ:☆☆☆★★
あらすじ
料理が趣味のごく平凡なサラリーマン向田剛志は、勇者召喚によって異世界「レイセヘル王国」に召喚されるが、与えられたスキルは勇者とはかけ離れたものだった。
勇者を辞退し街で生活を始めるが、固有スキル「ネットスーパー」の凄まじいチート能力が判明、さらに夕食時に巨大な影が忍び寄ってきて・・・。
胃袋を掴んで異世界無双!
「ネットスーパー」!?ネタスキル?
と思われるでしょうが、実は元の世界から商品を取り寄せることが出来、食べると「ステータスが一定時間アップする」といういわゆるチートスキル。
ムコーダ(冒険者名)はこのスキルを活用して、バンバン敵を倒し食べまくり、異世界料理で胃袋をつかみ仲間を増やしていきます。
出て来る料理は、異世界の食材+日本の調味料や食材、であって異世界で作れるものが主なので、そこまで難しい料理ではありません。序盤の生姜焼きなんて肉に調味料かけて焼いただけですし。
ですが、その絶妙な雑さが独身男の一人飯のようで食欲をそそらされます。
すぐ家で真似出来るものが多いので、まぁ飯テロ漫画です。
アナログ感のある安定した絵柄は、スピード感もあり、構成も読みやすい。原作の魅力を最大限に引き出しているコミカライズ作品です。
異世界チートサバイバル飯
山田 モジ美 (著), 赤石 赫々 (著), 東西 (著)
絵:☆☆☆★★ 物語:☆☆☆★★ キャラ:☆☆☆★★
あらすじ
少しだけ変わった趣味をもつ少年、上総悠は若くしてこの世を去った・・・。はずだったが、気がつけば彼は見覚えのない森の中にいた。
食べた魔物の力を得て食べれば食べるほど強くなる、というシンプルなチート能力を使って魔境を渡り歩き、サバイバル飯を食べつくす最強グルメ活劇。
異世界メシ入門作品
サバイバル飯なので、とにかく肉肉肉!魚魚魚!たまにカニ!
モンスターをぶっ倒して即、焼いて食べる。
この漫画を読んでいるとキャンプに行ってバーベキューがしたくなります。
簡単な調理器具で焼いただけの飯が一番訴えかけて来る瞬間ってありますよね?
仲間になるキャラクター達も異世界転生らしく、儚げ銀髪美少女と〇リッこ神殿騎士というド定番。後にはグルメレポーターのジト目〇リッこも増えて賑やかになります。〇リッこが多い?異世界なので問題無しです!
美少女ハーレムとサバイバル飯を気楽に楽しめるので、定番ファンタジーなろうやキャンプ好きの方にもお勧めです。
ダンジョン飯
九井 諒子 (著)
絵:☆☆☆☆☆ 物語:☆☆☆☆★ キャラ:☆☆☆☆★
あらすじ
6人パーティを組む冒険者ライオス一行は、空腹のままレッドドラゴンに挑み壊滅。妹ファリンがドラゴンに食われてしまう。ライオスはドラゴンに消化される前に救い出し、魔法によって蘇生させるため再度ダンジョンに潜ることを決意。
そこで、ライオスは食糧問題の解決のため、現地調達、ダンジョンのモンスターを食材にすると宣言する。
ブラックユーモアに溢れた異色作
本作をグルメ漫画に入れるかどうかは悩みましたが、最終的にキャラクター達は美味しく頂いているので、ヨシ!としました。※ちなみに非なろう作品
本作は序盤エルフのマルシルがとにかく魔物食を嫌がるのですが、その様々な嫌がり方、反応は一見の価値アリです。ちょっと駄々っ子みたいで可愛らしいんですよね。
ライオスは元々魔物食に興味があったので、わけのわからないものを拾って来たりして、なんとか食べようとします。そこに魔物食に精通したドワーフのセンシが加わって、問答無用で献立が決まってしまいます。
最初は嫌がっていたマルシルも空腹には抗えず徐々に慣れていき、魔物を食すことが当たり前になるのがまた面白いです。
「大サソリと歩き茸の水炊き」
大サソリ:一匹
歩き茸:一匹
茸足:二本
藻:適量
サカサイモ:五本程度
干しスライム:お好みで
水:適量
など各巻では、魔物食のレシピも公開されており、その細かさとスライムお好みでというテキストに少し笑ってしまいます。作品全体にダークユーモアがあるのも魅力の一つですね。
まとめ
いかがだったでしょうか?
画力の高い作品も多く、グルメ漫画といえど異世界の設定を上手く活かして、普通のグルメ漫画に無い魅力を生み出していますね。上手い事言うとスパイスが効いています(無視して下さい)
・異世界で現実世界(日本)の食事を楽しむ
・異世界で異世界の食事を楽しむ
という二種類に分かれており、それぞれの魅力がありますが飯テロになりやすいのは前者の方でしょうか。読む時は時間帯に気を付けたいものですね。
本記事は以上です。
ありがとうございました!
※ダンジョン飯アニメ化おめでとう!!しかも連続2クール!監督はTRIGGERの宮島善博さんで期待しかない。マルシルの「ヤダーッ」が早く聞きたい。
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