はじめに
名機と名高いIE 900、レビューサイトやYoutubeどこを見ても素晴らしいと評価されている、定番中の定番商品です。
ただ、リアルなユーザーの声がその評価に隠れてしまい、結局どうなのか?
分かりづらい現状になっています。
本記事では、リアルなユーザーの声を集めまとめることで、改めてIE 900の本質に迫りたいと思います。
IE 900とは
【ゆずれない「音」を、さらなる高みへ】
ゼンハイザーの持ちうる全てのクラフトマンシップを発揮し、音質の追及に一切の妥協無く、デザインとエンジニアリングを最高レベルで調和させたフラッグシップイヤホンです。
シングルダイナミックドライバーで奏でる音の極み
ダイナミックドライバーを1台にまとめることで、マルチドライバー特有の周波数のオーバーラップが起こす位相のずれや歪みの無い繊細な再生が可能に。
X3Rテクノロジーとして、アルミブロック削り出しハウジングに3つのレゾネーターチャンバーとアコースティックヴォルテックスを搭載し、マスキング効果を抑えることに成功しています。
【TrueResponse】トランスデューサー
自社開発の高性能7mmシングルドライバーは左右の位相の良さ、全帯域におけるつながりと繊細な音の再現性、雄大なまでに広がるサウンドステージが特徴。
そして、キレと重厚感のある低音と澄み切った中音域、一切の曇りもない美しい高域を耳に届けます。
アコースティックバックボリューム機構
こもりのない低域から耳に刺さることのない高域、透明感のある音質。
その実現のために低域と中域を分離し、低中域の周波数精度を高めるためにアコースティックバックボリューム(ヴォルテックス)を実装。
トランスデューサー内を移動する空気の方向と量をコントロールすることによって、細部まで計算しつくされたクリアで自然なサウンドを生み出します。
高い快適性と高耐久性
アーティストがライブで使用するようなプロレベルのフィット感を実現。デスクワークから、電車の中、散歩中でも変わらない上質なリスニング体験を届けます。
ゴールドプレート加工のMMCXコネクタは高い接続性を誇り、ケーブルは特殊素材(パラアラミド)により数千回の折り曲げに耐えることができる高耐久性仕様です。
実際に購入したユーザーの声
肯定的なレビュー
- ZX707にてバランス接続で使用。某F社のイヤホンから乗り換えたが別次元の音質でした。特筆すべきは高音の綺麗さ。透明感と言えば正しいか分かりませんがとにかく澄んで綺麗な音。低音はそれなりで音場も広くかなり満足している。
- IE600の方がボーカルの表現が良いと聞いてましたが、個人的にはIE900の方が好み。倍音が綺麗に出ていて結果的にふくよかなで濃厚な音を届けてくれます。
- イヤホン自体の質感がまず良い、実用重視の手の込んだデザインが気に入っています。軽く小さいので普段使い通勤のお供として大活躍しています。解像度が高いはずなのに自然な音は他には無い特徴だと思います。
- 低音は引き締まり、ボーカルもクリア、高音は煌びやかで刺さらない。音場も広く閉塞感が全然無い。バランスの良さと完成度の高さは同価格帯では頭一つ抜けています。
- 私はコンサートに頻繁に行くのですが、その音をイヤホンに求めるのは酷だと思っていました。しかし、IE900は求めていた空気の一端を感じることが出来ます。素晴らしい音楽愛好家の為の製品です。
否定的なレビュー
- IE600に比べて中低音域が出てボーカルをマスクしてしまうので、女性ボーカル曲ばかりを聴く私にとっては好みではありませんでした。窮屈さを感じる密度と言いますか・・、気軽に音楽鑑賞する程度の人間には扱いが難しく感じました。
- ケーブルが硬く装着感が悪い、しかもタッチノイズも大きくこれでハイエンド?と思う出来。なぜこれでOKが出たか謎。MMCXもほぼ専用なので選択肢が少ないのも不満。
- iPhoneに直挿しで聴いてみたが。私の好むハードコア系の音楽には合わなかった。良くも悪くも癖のない普通の音という印象。個性が無い。
- アルミの筐体は美しいが、プラグとコネクタは安っぽくてフラッグシップらしくない。音の広がりがあってバランスの良い音だが、さらに上の価格帯製品の音を知っていると存在感を感じない。すぐ飽きると思う。
- IE800から買い替えたが、新たなフラッグシップと言えるほどの進化は感じなかった。ドンシャリ感が強調され、高音がクリアになったものの、音が自然で真ん中過ぎるのか印象に残りにくい音質。
まとめ
ユーザーの意見をさらにまとめると、
バランスの良い「自然さ」を突き詰めた最上のサウンドで、広大な音場と澄み渡った高音は特徴的。実用性と耐久性を求めた結果、本体やケーブルが安っぽく感じる場合がある。
という結果でした。
肯定、否定共に多かった意見はこちら。
・広大な音場と美しい高音域
・ケーブルが硬くタッチノイズが大きい
・個性が無い
この中でも「個性が無い」について。
悪い意味合いではそのままですが、時折良い意味としても同様の表現が用いられています。
ど真ん中の音、スタンダード、オーソドックス、ナチュラルの極み、普通の最上、など。
ゼンハイザーの音響エンジニア達は普段からコンサートに足繫く通い、その音楽体験を参考にすることで、原音に忠実ながらも定位感に優れ、コンサートの空気感を含んだ自然な聴こえ方の音響設計を目指しています。※インタビュー記事より
そのようなIE 900の自然な音質は、ドンシャリ、ボーカル特化、低音や高音特化など、尖った個性を持ったイヤホン達に比べると見劣りする部分もあるかもしれません。
ですが、この自然さを極めようとする純粋なゼンハイザーの哲学に気付くと、見え方が変わり、その音響性能の魅力をより感じるのではないでしょうか。
今回の記事はここまでとなります。
ありがとうございました!
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