どろのヲタブログ

アニメと音楽と

本末転倒だけど耳栓について考えてみた【イヤープラグ/入眠/騒音/聴覚保護/ノイキャンとの違い】

※本記事のリンクには広告が含まれる場合があります。

はじめに

今回は耳栓について。

オーディオを扱ってるブログなのに?音流れないよ?

 

というのは、一旦置いておいて。

 

私の場合は、高音や高周波にやや弱い上に大きい音も実際苦手。

ライブでも「もうちょい小さめでもええんやで・・・」と毎回思っているタイプで、夜寝る時、普段の生活においても耳栓ヘビーユーザーです。

 

そしてここ最近、騒音対策、ライブでの聴覚保護などの用途で、アナログな耳栓が見直されじわじわと市場を広げています。

 

シチュエーションごとの強み、実際使っている製品、そしてデメリットまで。

耳栓と付き合った上で考えたことを書いていきます。

ノイズキャンセリングとの違い

耳栓ではなくノイキャン製品を使うのもアリですが、ノイズキャンセリングには二種類あり、シチュエーションに分けて使用するとより高い効果が得られます。

 

専用マイクで拾ったノイズの波形と逆位相の波形を作り出し、それをぶつけてデジタル信号処理によって相殺するのが「ノイズキャンセリング(ANC)」

それに対して、耳栓などのアナログ(物理)によるノイズの軽減は、「パッシブノイズキャンセリング(PNC)」などと呼ばれています。

 

使い分ける意図としては、ANCでは絶えず人の耳では感知できない波形がぶつかり合っており、大きな音が発生した時に逆位相で打ち消そうと過剰に作動すると、耳への圧迫感が強まりそれが耳鳴りや不快感に繋がります。

 

突発的な大音量が発生する場所、道路や高架下で体感するとわかりやすいと思います。

ノイキャン特有のキーンという詰まった圧迫感、これがノイキャンは疲れると言われる原因の一端です。

 

そして、ANC製品は音楽を聴きながら~通話しながら~など、外でも屋内でも臨機応変に使用出来ることがメリットであり、PNCとは得意なシチュエーションが違います。

 

ANCが得意

・80dB位までの生活で発生する雑音の軽減

・電車や飛行機(主にこの部分に合わせてチューニングされるため)

圧迫感:あり

PNCが得意

・突発的な大音量(ガード下や工事現場)

・100dB超えの大音量

圧迫感:少ない

 

個人的には、

アクティブな普段使用→ANC搭載製品

就寝、勉強、大音量のライブ→耳栓(PNC)

と使い分けています。

 

次の章では実際の耳栓使用シチュエーションについて、ヘビーユースしている製品と共に紹介していきます。

シチュエーションごとの耳栓

就寝時

私が普段お世話になっているのはモルデックス(MOLDEX)。

米軍に納入実績があり自衛隊の売店でも売っている、アメリカ製の耳栓です。

仕様上が33dBカットと表記されていますが、40dBカットを謳っているノイキャン製品とは比較にならない程の静寂を感じます。特に低音~中音あたりまでのカットが凄い。

 

ANCのような圧迫感が無く、吸音されている。という感じ。

本体が柔らかく潰して耳に入れるので内耳に優しく、枕に横になっても仰向けでも快適なので、私にとっては唯一無二。

 

ANCと違い周りが騒がしい状況でも圧迫感が変わらないので、職場や車中泊での仮眠にも向いています。

 

夜寝る時はこのモルデックスがあるというだけで心の余裕が生まれます。個包装で何回か使ったら捨てるタイプなので、衛生的なのも良いですね。

集中したい時

勉強したり、読書したり、ちょっと集中したいけど音楽流すのも違う。とはいえ無音過ぎるのも・・・。そして、バッテリーの残量も気にせず気軽に使いたい。

 

 

そんな時は大体20dBカット位の耳栓が最適です。

たとえば一般のオフィスや家庭用クーラーの音が大体50dBと言われていますが、そこから20dB引くと30dB、大体図書館と同程度の静かさに変化します。

 

人は無音すぎると集中力が削がれてしまう傾向があるので、かなり丁度良い塩梅。

 

そこまで遮音性は高くないので、近くで話しかけられると気付きますし意思疎通も取れますが、隣の部屋の足音や大きめの声がかなり遠くに聞こえる感じです。

 

シリコン製に絞って色々と試してみたのですが、ベルギー発のLoopというメーカーの耳栓が16dB、18dB、26dB、と静音効果を選べるので気が利いています。

XS~Lまでのイヤーチップも付属するので、フィット感を調整出来るのも嬉しい。

人によって快適な音の状態と言うものは本人しかわからないので、このバリエーションの多さが理にかなっていますね。

 

シリコン製は水洗いで清潔に保てるのも良いですし、何回でも使えるのでコスパが良いのもメリット。デスクなどに常備しておくと【ちょっと雑音消したい】という時にも便利です。

ライブでの聴覚保護

音楽専用の耳栓があると知った時はなかなかの衝撃でした。

イヤープロテクターなどと呼ばれますが、専用に開発されたサウンドフィルターを搭載しているので、全体的な音圧を軽減しながらもしっかりと音楽を聴くことが出来ます。

 

元々は、ミュージシャンや現場スタッフの難聴や音響障害のリスクを減らす製品だったそうです。

定番品であるCRESCENDO製イヤープラグも大体20dBほどのカットになっておりますが、普通の耳栓より若干音通りが良く、装着したまま会話も出来るので減衰効果は低く感じると思います。

ただ、この減衰具合が絶妙で体感する音圧はそのまま、ドラムやシンバルのキツさを軽減し、謎に重低音が響きまくって反響しているような会場でも快適になり、帰る時すでに耳が難聴という状態を避けることが出来ます。

 

音響外傷(難聴)は何度も繰り返すと、耳鳴りを誘発し聴こえ自体も低下させ、その聴力を元に戻すことが非常に難しいです。

 

これも立派な健康維持なので、その日の体調、会場や音楽のジャンルによってはライブ用耳栓を使用することをおすすめします。

 

【ライブ用耳栓一覧】

デシベル(dB)の目安

大体ですが騒音の感じ方の目安です。

耳栓選びの参考にして下さい。

 

【難聴まっしぐら】

120dB:近くでジェットエンジンの飛行機が飛び立つ

110dB:自動車のクラクション、音楽ライブ会場

100dB:電車が通るガード下

 

【明確にストレスを感じる】

90dB:犬の鳴き声、カラオケの店内(中央計測)、グランドピアノ

80dB:飛行機の機内、電車の車内、バスの車内、人の大声

 

【うるさくて集中出来ない】

70dB:セミの鳴き声、騒々しい事務所の中、騒々しい街頭

60dB:洗濯機、掃除機、車のアイドリング、乗用車の車内

 

【普通】

50dB:静かな事務所、家庭用クーラー、換気扇

40dB:深夜の住宅地、図書館

 

【静か】

30dB:深夜の田舎道、3m離れたささやき声

20dB:木の葉の触れ合う音、5m以上離れたささやき声

 

環境省の資料によると一般の住居において、昼間55dB以下、夜間45dB以下が人にとって望ましいとして環境基準で定められています。

騒音に係る環境基準について | 環境省

耳栓のデメリット

耳栓は健康維持やストレス緩和に効果的な面もありますが、デメリットも存在します。

まず一つ目は、衛生について。

 

結局のところ耳に長時間ものを詰めるので、手入れを怠ったり、使い捨ての耳栓を長く使いすぎると、かゆみが発生したり皮膚に悪影響があります。

シリコン製の耳栓はこまめに手入れし、使い捨ての製品は早めに新品と交換することが大事です。

 

もう一つは「耳栓に慣れてしまう」こと。

耳栓は望んだ通りの静寂さを実現してくれるアイテムですが、慣れすぎると逆に小さい音に以前より敏感になってしまったりします。

 

なので、上手くノイキャン製品と並行して使ったり、あえて音楽を流して騒音を軽減してみたり、あまり長時間付けすぎず頼り過ぎず、ピンチヒッター的に使うのが耳栓と上手く付き合うコツです。

まとめ

耳栓とは「無音」を目指さないものであって、あくまで騒音に感じる音をカットし、聴くべき音は聴けるようにする。

そのような、明確な基準を持って製作されています。

 

工場などの現場では意思疎通が取れないと命に関わりますし、就寝時でも災害の対応が遅れる可能性がありますからね。

 

そのメリハリが快適性と使用シーンの柔軟性に繋がっており、製品のバリエーションの多さにも繋がっているのかもしれません。

 

ANC製品のユーザーは【雑音対策】に購入する方が多いと思いますが、耳栓の方がシチュエーションに特化しているので、サブで持っておくと色々便利ですよ。

 

本記事は以上です。

ありがとうございました!

 

【関連記事】