はじめに
名機と名高いMDR-MV1、レビューサイトやYoutubeどこを見ても素晴らしいと評価されている、定番中の定番商品です。
ただ、リアルなユーザーの声がその評価に隠れてしまい、結局どうなのか?
分かりづらい現状になっています。
本記事では、リアルなユーザーの声を集めまとめることで、改めてMDR-MV1の本質に迫りたいと思います。
MDR-MV1とは
【これはヘッドホンじゃない、スタジオだ。】
というキャッチコピー通り、優れた空間表現で立体音響の制作に最適な、クリエイター向け背面開放型モニターヘッドホンです。
クリエイターの意図をそのままに
ハウジングを音響的に塞がない背面開放型音響構造を採用することにより、ヘッドホン内部の反射音を低減し、クリエイターが意図する正確な音場を再現します。
また、ドライバーユニットの前面と背面をつなぐ開口部に音響レジスターを大面積で使用し、通気を最適にコントロール。空間共鳴を排除し、色付けの少ない自然で充実した低音域再生を実現しています。
5Hz-80,000Hzの超広帯域再生
【振動板形状】
音質の核となる振動板は、充分な量感で低音域を再生するための柔らかさと、歪みがなく超高音域を再生するために形状を保持する硬さとを兼ね備える必要があります。
コンピュータによるシミュレーションと複数回にわたる試作を通じて、超広帯域再生を実現することができる専用の振動板形状が導き出されています。
【ダクト構造】
ドライバーユニット背面に直結したダクトを備えるダクト構造により、振動板の動作が最適化されています。
背面開放型音響構造では調整が難しい低域の過渡特性を改善し、充分な量感の低音域再生と中音域との分離感を両立し、リズムを正確に再現します。
長時間使用を可能にする快適で安定した装着性
【スエード調人工皮革】
長時間耳に触れるイヤーパッドには、肌触りが良いスエード調人工皮革が採用され、十分な厚みのある低反撥ウレタンフォームを使用することで、快適な装着感を実現しています。
【軽量設計】
音楽制作の現場では、ヘッドホンの継続使用が6時間を超えることもあります。長時間の作業による負荷を減らすために、最大限ヘッドホン本体は軽量化されています。その重さ約223g。
付属品
ケーブルプラグは、制作現場で広く使われるφ6.3mmステレオ標準プラグが採用されており、付属のプラグアダプターを使用することで、φ3.5mmステレオミニジャックを備えたPCやスマートフォン、Walkman(R)等との接続も可能です。
実際に購入したユーザーの声
肯定的なレビュー
- 半端じゃない音場、広いとかどうというより言葉で表現しきれない程。圧倒的な空間表現です。
- 一度聞いてしまうと、今までのヘッドホンはなんだったんだ?と密閉型には戻れなくなるサウンドです。クリエイト目的では使いませんが音楽を聴くのが楽しくなるヘッドホンです。
- 今年の有線ヘッドホンの中では一番の衝撃。もしかしたらNo.1かも。モニターだけどどんな曲でも気持ちよく聴けるし、休日にジャズを聴くのにもぴったり。
- うおっ、空間に包まれている!?と驚きがある。あちらこちらから楽器が鳴っていて、定位と言うものが改めて認識できる。アイドルグループなどのメンバーごとの歌い分けもはっきり聴こえるので感動です。
- 音楽、映画、動画編集、なんでもこなせる多用途で優秀なヘッドホン。装着感も快適で疲れずかなり良い。
- 360°reality audioを聴くと本機のクォリティの高さをより感じます。他社ケーブルでバランス接続してもステレオ感マシマシでこれはこれでアリです。
否定的なレビュー
- ZX707で聴いていますが、音の密度が無く、ショボい音に聴こえてしまいます。インピーダンスに合ったアンプやDAPが必要だと思う。
- 仕事用に購入しました。Youtuberが装着感が快適と言っていたが、とてもそうは思えなかった。側圧も強く数時間使うとしっかり蒸れます。
- 少し界隈が持ち上げすぎのヘッドホン、モニターとしても二流だし、雰囲気を味わう程度のなんちゃってクリエイター向けリスニング機です。
- 値段の割に外観が安っぽい、パッケージも簡素で萎える。エコは社内だけでやってくれ。
- 定位が定まらない、解像度も無い、軽いだけのヘッドホン。良くも悪くもソニーファン向け製品。
- 競合商品が多く、価格も高いので定番化は難しいと思います。
まとめ
ユーザーの意見をさらにまとめると、
開放型特有の広い音場による空間表現に優れ、リラックスしながら音楽を聴くのに最適、映像エンタメや制作においても優秀だが、出力側にそれなりの機材が望まれるセミプロ向け製品。
という結果でした。
個人的には不満点の多くはMDR-MV1がユーザーにとって初の開放型だったことが大きいように思います。SONY初の背面開放型ということで密閉型からの買い替えで購入した方が多い印象です。
開放型は密閉型等に比べて低音も少なく感じ、音量も取りづらく、音の方向性が大きく変わります。さらに開放型用に音質や出力を設定しないとポテンシャルを活かしきることが出来ません。
ただ、この部分は慣れも多い上に、エイジングの効果が大きく感じるのも特徴なので、最初聴いて???と思った方も長い目で付き合い、ピッタリのセッティングと機材に出会えた時、開放型にしか出せない音と体験にハマると思います。
いきなり5万円付近の開放型に手を出すことに腹くくれない・・・
という方は安価なオーディオテクニカ製品をおすすめします。
ATH-AVA300は国内メーカー製では恐らく一番安く買える開放型ヘッドホンです。
テレビ視聴から動画編集、音楽まで幅広く使えるので開放型のお試しに最適です。
今回の記事はここまでとなります。
ありがとうございました!
【結局どうなのシリーズ】