はじめに
前回の記事に書いた通り、即購入したKEF LSX II LT。
LSX IIの廉価版にあたる製品ですが、箱出しからしばらく聴いてみたので、詳しく実機レビューしたいと思います。(トラブルもあるよ)
KEF LSX II LT レビュー
デザイン外観
うーん・・・・おセージ色ですねぇ。
公式画像がこちら。
色味を比べると実機は薄い!でも格好良いからヨシ!
悪目立ちせず部屋によく馴染みます。
ちなみにセージとはヨーロッパでは定番のハーブ。
家庭の幸せの象徴や、浄化作用もあると言われ、宗教的な儀礼で用いられることもあります。
側面から背面までのしっかりとしたビルドクォリティは流石。
廉価版と言えどしっかりと高級感があります。あとめっちゃ重い。
裏面はこんな感じ。プライマリ→セカンダリ用のUSBC、HDMI、USBC、TOSLINK光、ウーファー用の端子、ネット回線用、BT&リセットボタン。様々な機器や用途に対応しています。
さて、お気づきでしょうか。
光接続のカバーが存在せず、端子が剥き出しなのを。
そうです、一発目の接続で破損。
光ケーブルはSONY製、方向も間違えずちゃんと音も出ていました。
が、抜くときにパキィッ・・という音がして見てみるとこの状態。
ウケる。まさにセージ(草)
私は楽しみに予約した製品をもれなくぶっ壊す呪いがかかっているようで、毎回こんな感じなので気にしません。
こうやって蓋をかぶせて無理矢理突っ込めば、問題無く音が出るのでオッケーです。
端子のビルドクオリティについて
いきなり光接続のカバーがぶっ壊れたから言うわけではありませんが全体的に端子のクオリティは低いです。
本体付属のusbcケーブルでプライマリ→セカンダリを繋ぐ際も、ヌルっと入り遊びが結構あります。ドイツ製品などのカチッ!ときっちり挿さる、あのビタビタに追い込まれた端子を知っていると「うーん・・・・」という印象です。
この辺りはお国柄と工場の検査基準によりますし、遊びはある程度あった方が良いのは事実なのでなんとも言えません。音質に影響は無いので、まぁここもオッケーとします。
音質
接続方法は、PC→USBC→LSX II LT。
光接続は元から使うつもりが無く、エレコム製のUSBC to Cオーディオ用ケーブルを用意していました。
Amazon musicの排他モードを使用し聴いてみます。ニアフィールドでデスクトップ用途を想定して視聴します。(EQ設定はデフォルト)
曲は緑黄色社会「Party!!」
まずは、初っ端の音圧に驚きました。
ライブ会場の音響機器を一瞬頭に思い描いてしまうような、音が出た瞬間身震いするような体験。
こりゃあ、すげぇぜ
音の傾向としては全体的にタイトですが、横方向に強く音場の広さを感じます。
ニアフィールドで聴いているのに、スピーカーの所在がわからなくなるほど自然で広大。
曲自体は元気なポップソングなのですが、低音は唸りキック感も強烈なので別の曲のように感じます。所々に入る生のかけ声や、ピアノ、管楽器などの楽器も立ち上がりよく響いては空間にスッと消えるので聴いていて楽しい。
スピーカーの間の空間からふわっとボーカルが出て来る表現は秀逸で、手触りにも近いリアルさを感じます。女性ボーカルに圧倒的に強いスピーカーですね、これは。
実は発売前に「やや低音が・・」という意見もあったのですが、タイトながらも原音に忠実に響かせてくれる質の良い低音は、上位機種と比較してもこれで十分だと思う音です。
向いてるジャンル
アニソン!と言いたい所ですが、圧倒的にハウス。
ハウスのためにこのスピーカーは生まれてきたんじゃないかと思う位、雰囲気満点の素晴らしい音を出してくれます。
ブワッと広がる低音と、左右の音が綺麗に分離されたソリッドで鋭さを感じるサウンド。こんな小さなスピーカーから、しかもPC直繋ぎで出てる音とは思えません。
最近はこういう遊びにハマっています。
YoutubeのDJプレイ動画を流せばまるで現場にいるかのような臨場感。
凄い良いよ。(語彙力なし)
デスクトップとリビング環境
本機は本領発揮するためにはある程度以上の音量が必要で、感覚としてはデスクトップ用途としては少しうるさく感じるレベルの音量以上。
デスクトップ利用ではそこまで音量を上げて聴くことが少ないので、どういった環境向け、誰向けの製品なのかが若干掴みにくい。
逆に言うと「これがあれば何もいらない最強スピーカー」であることには間違いないのですが、普段利用で活かしきれないのは少し悔しい。
LSX IIのように、結局リビング利用にしてしまう人が多いのも納得できます。
リビング利用でも一般的な戸建ては10~15畳位(キッチン除く)だと思うので本機LTで十分。
むしろこれ以上低音が響いたりすると近所迷惑なので、防音室やオーディオルームを自宅地下に作っちゃうようなマニアか、20畳以上の部屋がベースのドバイの富豪くらいしか不満を覚えないと思います。
※追記※
KEFコネクトアプリにて、EQ設定を詰めればかなり環境に適した音質になります。部屋の広さ、壁間までの距離、デスクエッジからスピーカーまでの距離など、細かに設定出来るので用途に応じて最初に設定するのがおすすめ。
ノーマルモードでデスクトップ利用で設定すると低音が結構オミットされるので、エキスパートモードで細かく設定する方が良いです。面倒であれば、あえてデフォルトのまま使うのもアリです。
【ノーマルモード】
【エキスパートモード】
KEFコネクトアプリ
思ったより設定が簡単
割と過去のレビューなどを観ると「アプリが使いにくい」「レスポンスが悪い」など、かなり不評で恐る恐る開いたのですが。
超簡単でした。
私はiPadとLSX II LTを無線で繋いでいるのですが、
アプリを開く→LSX II LTとペアリングする→接続方法を選ぶ。
これだけです。終わり。大体30秒くらい。
※初回の場合、ファームウェアのアップデートが入ります。
この状態から、BT接続、USB接続、光接続、などにワンタッチで切り替えることが出来ますし、レスポンスも良好。第二のタッチパネルコントローラーのように使えます。
PCと有線接続していても、BTに変更するとPCはアウトになりそのまま変更されます。これがまた便利。
ペアリングしてiPadに繋いだ段階で、iPadの音をLSX II LTに飛ばすことが出来るので各社サブスクの音楽をそのままストリーミング再生することが出来ます。
遅延がやや大きいので動画再生には向きませんが、これだけで音楽を聴けるのでとても楽。
無線での再生
これが不思議なのですが、Amazon musicからBTでストリーミング再生してもそこまで有線から音質の劣化を感じませんでした。
ソリッドさが薄れてマイルドになった印象で、ハイレゾ音源になると違いが少し出るかなぁという程度で十分に良い音。
ちなみにAirPlay(Wi-Fi)※で鳴らすことも出来るのですが、この音質が素晴らしい。
自宅の回線が安定しているならばおすすめです。
有線でも無線でも同じような感覚で楽しめるので、様々な使い方が捗ります。
私の場合、離れたベッドで漫画を読みながら手元のIpadだけで音楽をストリーミングしたり、ポッドキャストをラジオ代わりに流したり、入眠時には専用プレイリストを流したり。すでに生活の一部になりつつあります。
ただ音質が良いだけでなく、活用方法によって柔軟に対応できる総合力の高さもLSX II LTの大きな魅力ですね。
※Wi-Fiルーター→無線or有線→【iPad Airplay=LSX II LT】と繋ぎ音楽を流すことが可能。メリットとしては、Wi-Fiの方が伝送帯域が広くBTでは圧縮されてしまう音源を限りなく非圧縮で再生することが出来ます。
本体音量について
アプリは関係ありませんがセットアップ時の音量について。
本体音量が初期設定では最小なので、まずは本体の音量を上げないとどのアプリや音源でも音量が取れません。(有線でも)
PC→LSX II LT
LSX II LT本体
この音量がそれぞれ別に設定出来る仕様なので、例えばPCではMAX音量なのに出て来る音が極小という状態。
解決方法は簡単で付属リモコンの+ボタンを連打するだけ。
これで本体側の音量が上がります。
このような初期の音量のセットアップ方法も特に説明されておらず、手探りで探さないといけないのは少し大変でした。
スタンドについて【追記】
購入後、しばらく聴いてみて「あ、これスタンドいるわ」と思ったので、純正スタンドを注文してみました。
インシュレーターや木材をかます手もあるのですが【純正を試してみて不満ならカスタムする】というものぐさで生きてきたので、とりあえず純正を試してみます。
到着した現物がこちら。(正規店で新品を購入)
・・・知らん人の指紋めっちゃついとるw
最高ですねぇ、洋のモノはこうでなくちゃいけません。
真ん中の素材はゴムになっており、共振を防ぐような作りになっています。そして、このスタンドもやたら重い。
丁寧にふき取った後、装着してみます。
よくわからない輪っかは外してから、ネジを付属のL字でぐるぐる回します。
完成!!
では、実際に聴いてみます。
印象としては、KEF特有のクセのように感じていた部分が無くなり、めちゃくちゃスッキリ聴こえます。
【デスクトップとリビング環境】の欄に音量を上げないと本領発揮出来ないと書きましたが、これならデスクトップでも自然と聴き入ることが出来ます。
デスク上の振動も大幅に軽減されており、装着前はキーボードを打っていても振動を強く感じたのですが、装着後はわずかに感じる程度。
この辺りはまさにインシュレーターの領分ですが、同様の効果を純正でカッコよく実現出来るのは流石だと思いました。
でも、ぶっちゃけ木材置くだけでも良いかも。
このスタンド地味に高いので。※LSX IIとLT両方に対応。
アニメ視聴
これを忘れてはいけません。さぁアニメ視聴です。
観るアニメは「ダンジョン飯」3話。
OPもLSX II LTで聴くとこれから映画でも始まるかのような期待感が膨らみます。
そして本編。
遺跡の階段を降りる足音、序盤の遺跡の一部の仕掛けを突く音、金属が床に落ちる音。
そのすべてが滅茶苦茶リアル。カツゥーン・・・、ゴトォッ・・・と空間に響きます。
戦闘シーンもかなり複雑に音が混じっているのですが余すことなく表現しています。
迫力を出すべき所は出して、静かであるべきシーンは繊細なので、総じてメリハリが効いておりプチ映画館のようです。
アニメによくあるセリフやSEのエコー表現が特に凄い。
二つのスピーカーから出ているとは思えない程、空間を感じますしどこまでも反響します。本編では卵床の正体を見破る回想からチルチャック登場くらいまでですね。
毎回トリガーはSEやBGMにもこだわるのですが、改めて「ダンジョン飯」の良さを再認識することが出来ました。またサイバーパンクエッジランナーズも見よう・・・。
まとめ
音があまりに心地よいので、ポータブルは屋外、室内ではスピーカーという棲み分けが完全に出来てしまったほど。
家ではほぼこのスピーカーで音楽を楽しんでいます。
このような生活を一変させるクオリティを持つ製品は稀であり、出会うことが困難ですが、KEF LSX II LTはそれに当てはまるスピーカーでした。
良いスピーカー買いたいけど、どれが良いのかわからないし、柔軟になんでも使いたい。出来れば10万円代で・・という現代のニーズにピッタリハマる。
KEF公式ではゲートウェイと宣伝されていますが、普通にゴールでも良い製品です。
皆さんもよければこの機会に、KEFの最強デスクトップスピーカー【LSX II LT】を候補に加えてみてはいかがでしょうか。
本記事は以上です。
お読みいただきありがとうございました!
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