はじめに
皆さんが抱くSONY製品へのイメージとはどのようなものでしょうか?
・国内メーカーだから安心
・有名ブランドだから間違いが無い
・今風の宣伝をしてるおしゃれな製品
この辺りが多いかと思います。
かくいう私も、SONY製品を買うときに一番重要視するのはやはり国内企業で安心感がある。という部分。もちろん製品自体も素晴らしいです。
ただ、どのような会社でも製品でも、良い所と悪い所が存在します。
実際買ってみて思ったこと、その他製品の展開などを含めて、今回はSONY製品について過去記事と共に深堀りしていきたいと思います。
良い所
買ってわかる高水準な技術
【NW-WM1AM2】
私にとって初めての高価格帯SONY製品がNW-WM1AM2でした。
音質、デザインそのすべての水準が高く200時間以上聴いた今でも愛用しています。
これまでのSONYオーディオ製品の音質に対するイメージは、どちらかと言えばドンシャリ寄りな現代的な音。という印象でした。
ですが、このWM1AM2は真逆に近い、聴き疲れない自然な音と繊細な響きのあるピュアなオーディオ製品でした。この出会いで私はSONYへの考えを改めることになりました。
今まで聴こえてなかった音が聴こえ、高い表現力でアーティストへの理解がより深まり、濃厚な音楽体験によりオーディオ沼(SONY沼)へと浸かっていく。そのような素晴らしいウォークマンです。
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製品の奥行きの深さ
オーディオ製品といえばエージングですが、私はどちらかと言えば否定派でした。劣化=エージングとするならば、音質が変化するのは当然で、それが高音質化に寄与しているのかどうかは別の話だと思っていたのです。
しかし、実際本製品でエージングの経過を検証していくにつれて、このように音質が変化し「開発者が目指していた音」に近づくこともあるのか、と驚きました。
実際は200時間必要な部分とそうでない部分はありましたが、音質にはしっかりと変化があり一つの方向へと向かって行きます。これは、長年培った技術と検証データがあるSONYならではの現象だと思います。
ただ音楽を聴くだけでなく、ある意味育てる。
SONYからのイントロデュースとしてオーディオ製品との付き合い方を教わった気がします。
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悪い所
ユーザーに対しての情報共有が薄い
【NW-ZX707】
例えばウォークマンだと、公式アプリ同士の使い勝手が悪かったり、サブスクと一部機能が相性が悪かったり、起動が遅い動作が重い等、音楽を聴くまでにかかるハードルが高かったりします。
そして、そのような不具合を含んだ情報共有が無く、全てユーザーが手探りで改善しないといけません。サービスに小回りが利いていないとも言えますね。
全てのユーザーが有用な情報にたどり着けるわけではないので、
ソフト面への不満=製品への不満になってしまっている。ことが少し勿体なく感じます。
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【Wf-1000XM5】
最近では、WF-1000XM5のノズル部分の前機種にあったメッシュが無くなり、イヤーピースの選択が難しくなってしまうということが発売前に判明し騒ぎになっていました。その情報も試聴に行ったユーザー発信です。
結果的にサードパーティのメーカーや販売店がユーザーの声に反応し、代替えのイヤーピースを提案したり、盛り上がったので良しではありますが。
細かい点の不満要素が頻出した結果、1000XM4との比較も盛んに行われ「前機でよくない?」と言われているのはなんとも言えないものがあります。
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大企業ゆえの問題
さらに根深い問題として、宣伝の一部として商品提供を多数のインフルエンサーに行っているので、Youtubeやブログ、X(旧Twitter)でさえ正確な情報を得ることが難しい一面があります。特にデメリット部分や不具合。
ちなみに、本ブログのSONY関連記事は全て【無案件】です。
不具合の情報とか、わりと正直に書いちゃっているのであたりまえか・・・。
いいんです。SONY製品が好きな気持ちは変わりません。
なにより、WM1AM2を買うときの下調べで情報を得ることにかなり苦労したので、自分のブログ位は不具合の検証も含めデメリットもしっかりと書いていこうと思うわけですよ。
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SONY製品の深みを知る
色々不満点も書きましたが、もっと他にもSONY製品を好きな理由はあります。
その中でも人に焦点を当てるならば、名物エンジニアである【かないまる氏(金井隆)】の存在は今後も忘れることはないでしょう。
同氏はこれまで初期のCDプレーヤーからハイエンド品まで様々なSONY音響機器、内臓機能の開発に携わり、ショールームの設計なども手掛けていました。
ソニー公式でのインタビュー内で、「アナログからデジタルオーディオになったときに失ったものと、再会しませんか?」と語られている通り、デジタル全盛の今だからこそ多くのファンに訴えかける機能を生み出し続けています。
特に有名なのは「バイナルプロセッサー」。
アナログレコードの音響特性を再現する、その機能は理論に基づく物理現象であり、「わざと劣化」させるようなものではありません。
残響感、立ち上がり、滑らかさがアップし、音楽を聴くことが楽しくなる機能なので、ウォークマンを持っている方はぜひこの機能を楽しんで貰いたいです。
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多彩なラインナップ
雑な言い方をするならばSONYとは大企業です。
その規模の大きさを活かし様々なチャレンジを行い、新商品を生み出し続けており、毎月のようにオーディオファンを楽しませてくれます。
その中でも今回は、SONY初の背面開放型モニターヘッドホンMDR-MV1とフラッグシップイヤホンIER-Z1Rに注目したいと思います。
MDR-MV1
「これはヘッドホンじゃない、スタジオだ。」というキャッチコピー通り、優れた空間表現で立体音響の制作に最適な、クリエイター向け背面開放型モニターヘッドホン。
開放型特有の広い音場による空間表現に優れ、映像エンタメや制作においても優秀だが、出力側にそれなりの機材が望まれるセミプロ向け製品。
一般向けかプロ向け。
どちらかに振り切って開発するメーカーが多い中、「クリエイター向け」という中間で勝負する所にSONYの凄みを感じました。アマチュアの配信者、音楽制作者が増え続けている現在では正しい方向性だと思います。
そして、この値段このクオリティで世の中に出せるのはSONYだけでしょう。
密閉型やドンシャリに慣れ親んだ多くのユーザーは最初戸惑うかもしれませんが、セッティングがハマるとこれ以上ない、広大な音場と空間表現力を持つヘッドホンです。
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IER-Z1R
ソニーのハイエンド製品群「Signature Series」として、音響技術を余すことなく注ぎ込まれた、究極の空気感を実現するリスニングイヤホンです。
音を聴くだけでなく、感じる。そのような領域まで挑戦している意欲作です。
空間表現に長けた分離感の良いイヤホンで、特に女性ボーカルの表現力が高く、クラシックや弦楽器等の演奏音源も美しく鳴らす美音系。
音場、その場にいるような空気感を表現するために、3つの異なるドライバーの長所を組み合わせた新しいHDハイブリッドドライバーシステムを搭載。
外装にはジルコニウム合金を採用した、高級感ある見た目になっています。
イヤホンなのに少し重いという難点はありますが、理想とする音の為に音響エンジニア達が技術を結集させ作り上げた。そのような挑戦にこそ価値があると思うのです。
美しい外観に、美しい音。
ソニーが好きでもっとソニーの音を深堀りしたい方にとっては、総合的に評価すると素晴らしいリスニングイヤホンになり得る製品です。
【合わせて読みたい】※気が早いですが後継機の発売日予想もしています。
まとめ
いかがでしょうか?
SONY製品はあまりにも有名なので、表面的に見ると一般向けに力を入れているように見えますが、ハイエンド製品やウォークマン、開放型などのニッチな製品にもしっかりと力を入れ常に進化し続けています。
つまり、製品は最高なんです。
なので、火消し役のようになってしまっている、X(旧twitter)でのカスタマーサポートや、開発者様のこだわりやインタビューを届ける前に、もう少しユーザーへ向けてディティールの発信を行ってもらえると嬉しいです。
ユーザー側としては積極的にユーザー間で情報を共有し、事前にデメリットを知ってから買うのが総合的な満足度に繋がると思います。
本記事は以上です。
お読みいただきありがとうございました。