はじめに
クセが強い。ある時期一世を風靡したこのワードですが、アニメの中でもそのような作品が多数あります。
クセがあって人を選ぶけどハマった人は大好きになる。ハマらない人にとってはゲテモノ扱い。賛否両論。
今回はそのような、クセつよ作品をなるべく世代を横断し、最新作から古い作品までランキング形式で紹介したいと思います。
5位
陰の実力者になりたくて!
あらすじ
それは、主人公でも、ラスボスでもない。
普段は実力を隠してモブに徹し、物語に陰ながら介入して密かに実力を示す存在。
この「陰の実力者」に憧れ、日々モブとして目立たず生活しながら、力を求めて修業していた少年は、事故で命を失い異世界に転生した。
生まれ変わった少年は、「妄想」で作り上げた「闇の教団」を「陰の実力者」として倒すべく暗躍していたところ、どうやら本当に、その「闇の教団」が存在していて……?
主人公を理解するまでが意味不明
あらすじを読んだ段階で、9割位の方は「何言ってんだ?」と思うことでしょう。
残りの一割の方は主人公と同類なのかもしれません。
本作の主人公シド・カゲノーは端的に言うと、サイコです。
しかも実行能力が高く、生前から身体能力も高い中二病サイコ。
そのようなシドが、異世界において様々な人や事件に出会い戦うのですが、主人公らしからぬ倫理の破綻した行動や言動を重ねまくります。
なんだこいつ・・・こわぁ。
と最初のうちは意味不明で混乱するのですが、話が進むにつれ段々と理解していきます。
要は本人はずっと「影の実力者」というロールプレイをしているだけなのです。
シドにとって異世界とは、生前から描いて来た妄想を叶えるためのこれ以上ない舞台で、ただただ純粋に楽しんでいる。
その部分を理解すると観ている側も楽しくなってきます。
彼が中二病全開で行動するたびに「そうきたかー!!」と笑い、情け容赦ない行動を取っても「まぁ、そういう役割だよな」と何も感じなくなります。
ここまでが、まぁ長い!!
アニメ版は細かいエピソードを省いているので、原作、漫画版を並行して読まないと、説明不足になる箇所が多く、一元さんお断りのような状態。
この辺りが賛否両論、もしくは「かげじつ好きなんだ」と友人に言うと引かれたりする要因でしょう。(そんなことはない)
勿論私は大好きですよ。中学生の頃に一度はした妄想を片っ端から実現していくので気持ちが良いですし、アニメ自体のクォリティも高く、声優さんの演技も素晴らしいです。
アニメのスタッフは絶対にやにやしながら作ってると思います、ノリノリで。
そういうアニメです。
4位
荒野のコトブキ飛行隊
あらすじ
荒野の続く世界イジツで、人々は限りある地下資源と、空路による交易で生活している。この物語は空路による物資輸送を生業とするオウニ商会と、物資を狙う空賊から飛行船を守る女の子だけの凄腕パイロットだけで組織された用心棒集団「コトブキ飛行隊」の活動を描いた物語である。
ガルパン再来!とはいかなかったニッチ作
あーレシプロ機乗りてぇ・・・。
スポーツカー、バイク、トップガン的な現代戦闘機、などと同じようにレシプロ機に憧れ、乗りたいと思う人がもっと世の中に多ければ流行ったであろう作品。
世界観の設定もこれまたニッチな西部劇。
この段階で若い人は捨ててます。
さらに全編3D制作。
これもまたアニメファンからはウケが悪い。3Dというだけでクセです。
ガルパンはあくまでアニメの文脈で女生徒が戦車道として嗜んでいる点が面白かったのであって、用心棒集団というのもニッチすぎます。
なぜガルパンの名前を出すかというと、監督が同じ水島努さんだからです。
ミリタリー監修もガルパンでお馴染み二宮茂幸さん。
航空機の挙動には曲芸飛行のプロがチェックし、レシプロがきしみながらも動き舞い、敵を倒すさまは素晴らしいです。
ドッグファイトシーンの音響にもこだわっており、MX4Dなどの上映方法も取られ私も映画館に観に行きました。ですが、その時思ったのです。「人少ねぇ・・・」と。
同時期にガルパンの映画も観たのですが、大満員で熱気にあふれていました。
それに比べると寂しい限りで、「あれ?みんなレシプロお好きでない?」とそこで初めて気付きました。
西部劇もレシプロも美少女も全部好きな私にとっては、最高の作品でしたが、どうやら世間とはズレていたようです。
とはいえ、ニッチでクセの強い作品ながら、西部劇のオマージュに熱いストーリーとスッキリワンクールで終る構成等、エンタメ作品としては良作です。
3位
マクロス7
あらすじ
西暦2045年、新マクロス級7番艦マクロス7を中核とする超長距離移民船団は銀河を旅していた。100万人以上の乗組員が平和な日々を過ごしていたが、ある日船団は正体不明の敵の奇襲を受ける。
多くの兵士が「スピリチア」と呼ばれる生命エネルギーを奪われ、危機に瀕した時、ロックバンドFireBomberのボーカリスト熱気バサラが宇宙戦域に現れて・・・・。
シリーズ屈指のクセつよ主人公
「俺の歌を聴け!」というセリフはネタ的に使われることもあるので、聞いたこともある人が多いかもしれません。
そう、このアニメは常に熱気バサラという強烈な個性を持った主人公の行動によって動き、そして彼の歌の力が与える影響が大部分の要素になっています。
あるストリートでバンドのファン同士が喧嘩を始めます。
そこに割って入るバサラ。
「とりあえずオメェら、俺の歌を聴け」
相手もポカーンです。
このように、バサラにとっては歌がすべてであり、歌の力を常人では考えられないほどに信じているのです。その信念は一切揺るがず、戦地でもバサラは歌い続け戦争を止めようと、銀河を飛び回ります。
このアニメは戦闘シーン=歌唱シーンとなっており、他キャラは敵を撃ち倒しますが、バサラは歌うだけ。ロボットアニメとしてはあまりにも異色です。
恋愛に関してもほぼ無視、歌にしか興味無いですから。そのくせ、婚約者のいるヒロイン、ミレーヌを振り回し続けます。
そのような破天荒さも相まって、シリーズファンからも賛否が当時から分かれていたようで、ガムリン(婚約者)の方を応援する人が多かったみたいですね。
ちなみに、マクロスΔに登場するミラージュ・ファリーナ・ジーナスはミレーヌの姪です。このような近作との繋がりもありますので、気になる方は本編で三角関係の結末、バサラの歌の力で戦争は終わったのかを、ぜひ確かめて下さい。
2位
けものフレンズ
あらすじ
動物が人間の姿をした「フレンズ」と呼ばれる少女たちが暮らすサファリパーク型動物園「ジャパリパーク」。ある日パークに迷い込んだかばんは、サーバルキャットのサーバルと出会い、自分の正体や仲間がいる場所を知るために冒険に旅立つ。
ミームにもなった真顔
この顔。ニコニコやネット上では「例の顔」と呼ばれ、数々のミームと化しています。
当時2017年はまだ3Dアニメは少なく、冒頭から絶妙に表情に乏しいキャラとぎこちなく動くキャラモデルに、放送当初はやや悪い意味で盛り上がっていました。
第一話で水場に訪れた際の一幕なのですが、ニコニコのコメントでは、
クッソwww
ひでぇ顔wwww
チープwwww
この真顔なんなんwww
と、現在のネット用語で言うなら大草原でした。
つまり、けものフレンズという作品は、クソアニメ愛好家がニコニコで盛り上がる系のアニメだったのです。
しかし、中盤から後半にかけての伏線の数々と回収、最終回のまとめ方が素晴らしく、放送後一話を観返すと、
聖地巡礼ww
たべないよっっ!!
この顔が癖になるぅ!
ここから伝説が始まった
など、手のひらがねじ切れるほど評価が一変、さらに口コミが広がり紅白に「けものフレンズ」として出場するほどの大ブームになりました。
当時日常系がゆるやかに衰退し、なろう系が猛威を振るい始め、粗雑乱造なアニメが目立ち始めた頃。多くのアニメファンはこう思っていました。
「もっと気楽に観れて癒されて盛り上がれるアニメ放送されないかな」
このような需要にピッタリとハマったのも、ネット発のブームになった要因かと思います。
これから観ようという方はぜひ当時と同じように、一話から困惑しながら、珍味的な3Dアニメとして楽しんで貰いたいですね。
1位は・・・
てーきゅう
あらすじ
亀井戸高校テニス部の女の子4人がテニスをしたりしなかったりする、スーパーハイテンションな彼女達の抱腹絶倒の日常。
クセしかないカオスアニメ
多くのアニメファンの方はクセつよと聞いて、「てーきゅう」やろなぁ・・・。と思っていたでしょう。
ぱっと見可愛い系の日常コメディアニメに見えるのですが・・・まぁ説明が難しいので第5期OP【Qunka!(クンカ)】の歌詞の一部をどうぞ。
バットにパンツをきれいに広げ 塩少々に胡椒少々
ホットなソウルにソースをかけたら フライドパンツの完成や!
Qunka qunka qunka×6 Oh Holy パンツ!
他人のパンツを頭に被り食そうとする変態、板東まりも(CV.花澤香菜)の欲望が込められた歌なのですが、作中で最も逮捕率と死亡率が高いのも板東まりもです。
もうよくわからないと思いますが、そういうアニメなのです。カオスです。
本編の特徴としては3分のミニアニメなのに、一話につき30カットあまりのハイテンポさで進み、もう倍速でアニメ観てる感覚。その中で頭のネジが切れたキャラが奇行を重ねるので情報量が多くて混乱します。
しかも、こいつらほとんどテニスしねぇ・・・。
ミニアニメとはいえ9期まで放送され、話数は108話というでたらめさ。
段々観るのも面倒になって来ますが、時折普通に面白い話もあり、気が抜けない所も少し憎らしい。
キャラの中では【金で解決!お嬢様】こと、高宮なすのが最も人気でスピンオフも作られています。「メニメニマニマニ」をVの某お嬢様がカバーしていたので有名かもしれませんが。
全編通してタイパの良い(?)作品となっているので、SAN値が削れても良いよ~という奇特な方は、ちょっと暇なときに観るのがおすすめの作品です。
まとめ
いかがだったでしょうか?
クセが強いのは勿論ですが、それが受け入れられたりそうじゃ無かったりする背景にも色々と当時の事情があって面白いですね。
2023年の現在では減少傾向、もしくはすべてなろうに集結している感がありますが、クセが強いということは、個性があったり、構成が凝っている証拠なのかもしれません。
本記事は以上です。
ありがとうございました!
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