はじめに
KEF LSX II LTを購入して一か月以上経ち、音楽はもちろん映画やアニメまで。
普段使用での不満は無く、生活に欠かせないスピーカーになっています。
ただ、自腹で購入したことで、
若干バイアスがかかっている可能性があるのではないか?
とふと思ったので、今回は絞り出してLTの不満点やデメリットを書いていきたいと思います。良かったらKEF製品や LSXシリーズ購入の参考にして下さい。
KEF LSX II LTの不満点絞り出してみた
AUXが無いのはやっぱり不便
やはりこの点は大きかったですね、事前にわかってはいましたが選択肢の幅が全然違います。
例えばPCとUSB-Cで接続した状態で、PS5の音声も切り替えてLSX II LTから出したいとします。その場合、モニターのイヤホンジャックとスピーカーをAUXで繋ぐのが一番手軽な方法ですが、AUXが無いのでその方法がとれません。
そうなると、PS5用の変換DACを別に買い、そこから光接続するのがベターになるのでしょうが、そこまでして繋ぐ必要性も感じない・・・やーめた。となります。
さらに、DAPやDACから繋いでより高音質を目指そうと思っても、元から光出力に対応していないと、これまた面倒・・・。AUXがあればサクっと繋いで終わりなのに。
このように、LSX II LTはあくまでPCやテレビに繋ぎ、ワイヤレスでも手軽に高音質な音楽を聴く、という割り切った製品だということを改めて感じました。
起動時に左右差ラグがある(プライマリ→セカンダリ)
恐らく気になる方は、かなり気になる部分かもしれません。
私も最初、は?と正直思いました。
要はプライマリにしか電源が繋がれていないので、
起動時、プライマリ→セカンダリと遅延が生じます。スリープ復帰でも同様。
一秒にも満たない遅延なので、気にならないと言えばそれまでなのですが、スリープ復帰時にすぐ音楽を聴きたい時にも毎度遅延があるのはシンプルに不快です。
さらに、そこがPC接続での泣き所にもなっており、稀にですが音声やアプリの切り替え時※OSや周辺機器との相性でスピーカーが一瞬スリープ状態になりここでもセカンダリが遅延します。
※(1) Youtube→Amazonmusic→ネトフリ→steamなどを横断する際。この現象自体はWinPCではありがちなのですが、LTの仕様とは相性が悪く、感覚的にセカンダリが落ちてしまうような現象。ちなみにミドルクラスのPCなのでスペック不足や電源不足とかでは無いです。
復帰してからは安定するので使用上問題は無いのですが、「製品としての完成度」にはやや疑問が残ります。
復帰&起動時の無音時間を伸ばすだけでも、感覚的に快適になると思うのでファームウェアアップデートに期待したいと思います。
※(2) 2024/3/8 ファームウェアアップデート
Version 1.3により、セカンダリスピーカーの断続的なドロップアウト現象(原文直訳)が改善。起動時の遅延はそのままですが、上記※(1)の現象はほぼ起きなくなりました。
原音に忠実ゆえに無いものは出さない
KEF独自にコード化されたDSPアルゴリズムである、【Music Integrity Engine】は中高音域は上手くアップサンプリングし美しい音にしてくれるのですが、低音に関しては塩対応。
音源次第でしっかりと低音も鳴らしてくるのですが、なんでもかんでも大迫力で楽しく聴ける方向には持って行ってくれないので、聴ける音源とそうでない音源が思っていたよりも分かれます。
「鳴らしたかったらそれなりのもん寄こしな」「無いものは出せねぇよ!」と言われているような硬派さで、利便性とは裏腹にほぼモニターのような立ち位置を取っている不思議なスピーカーです。
デスクトップ使用ではやはり活かしきれない
レビュー記事でも書いていた部分ですが、不満点というより、困っている。
というのが近いかもしれません。
デスクトップ使用では音量も限られるので、スポーツカーで60キロ制限の道を走っている感じ。余裕があり過ぎて「小さい音ですまんなぁ」という気持ちになります。
大体15畳位でそこそこ大きく感じる位の音量がベストであり、結局リビング利用に向いているというのが結論ですが、あえてそのようなスピーカーをデスクトップで使っているという喜びがあるのも事実。
リビングに移すかこのまま使うか迷い続けており、こうなったら、もう一台買っちゃうか。と思い始めているこの頃です。(流石に買わないですが)
クラシックを本格的に鳴らすには不足がある
折角良いスピーカーなのでクラシックにも挑戦しているのですが、向いているとは言えず、不足を感じます。
その原因として一つは、クラシックのレンジが広い音源を余すことなく表現できるほどの性能は持っていない、特に重低音にあたる部分の音の広がりと響きが足らず、ホールやオケのスケールを感じることが難しい。
二つ目は、シンプルにスピーカーの大きさが足らない。
いくら、点音源で広がりのあるドライバーと言え、トールボーイや大型スピーカーに比べると体で感じることの出来る圧が弱く、臨場感や広がり、パートごとの分離感に欠けます。
ポップスやジャズなどでは感じなかったのですが、「目の前のスピーカーから音が出ている感」がクラシックでは強く感じます。この部分は元々コンパクトを売りにしている本機に求めるのは酷な部分ではありますが。
LSX II LTでクラシックをしっかり聴くとなると、防音含むルームチューニングを施し、美しく繊細な中高音域の響きを楽しむか、ウーファーを追加するかのどちらかになると思います。
まとめ
かなり絞り出しましたが、起動時に遅延があること以外は買う前から分かっていたことです。なので、実際ストレスなく使えていることは間違いありません。
【微妙に痒い所に手が届かない】というのは事実ですが、仮にLSX IIと比較してその差の為にプラス10万を払うか、音質を求めて100万円クラスのスピーカーを買うかというと、ノーです。そんな感じ。
あと、何度も言いますが、かなり絞り出してますからね!
こういう見方もすることで、何か役に立てれば良いですし、使用者としても今後の勉強になるかと思って書きました。
本記事は以上です。
お読みいただきありがとうございました!
【余談】KEFのLSX IIとLTの現地価格について。
買う前の下調べの際、まとめたデータを置いておきます。(暇人です)
為替の専門家じゃないので間違い等あってもご容赦下さい。大体でお願いします。
イギリス
LSX II
本国販売価格:£1,199
ポンド円換算価格:195437円
日本販売価格:231000円
※発売当初2022年7月時点1ポンド163円で計算。
LSX II LT
本国販売価格:$8,999
ポンド円換算価格:170000円
日本販売価格:137500円
※2024/1月19日時点1ポンド188円での計算。
北米市場
LSX II
北米販売価格:$1299.99
ドル円換算価格:176000円
日本販売価格:231000円
※発売当初2022年7月の1ドル136円で計算。
LSX II LT
北米販売価格:$999.99
ドル円換算価格:148000円
日本販売価格:137500円
※2024/1月19日時点で1ドル148円での計算。
こう見ると、グラボ等のように為替や担当者によるブランディングの方針で決まるのでなんとも言えませんが、LSX IIに関しては日本販売価格に少し上乗せされているのがわかります。
対してLTはかなり納得感のある値付けになっており、できるだけ安くKEFの音を日本の消費者に届けたいという気概が感じられますね。
そして、気になってしまうのが今後の値段について。
2023年12月9日に初のKEFギャラリーが青山に開かれ、本格的に日本進出という経緯から、LSX II LTは知名度アップ戦略のための逆ご祝儀値段とも考えられます。
今の為替の状況を見ていると少し日本販売価格が安すぎるので、数年以内には148000円位まで値上げする可能性もあるのかな。
と思いました。
【朗報】2024/4/25 KEF製品値下げ!!
・「LS60 Wireless Lotus Edition」1,000,000円→902,000円(1セット)
・「LS60 Wireless」 880,000円→797,500円(1セット)
・「LS50 Wireless II」 385,000円→346,500円(1セット)
・「LSX II」 231,000円→198,000円(1セット)
※「LSX II LT」137,500円(1セット)こちらはそのままの値段。
理由としては、「ワイヤレスHiFiスピーカー・コレクションの継続的な成功とマルチシリーズ展開による製造効率の最適化・企業努力によるもの」と説明されています。
このご時世に最大10万円の値下げで、LSX IIも適正価格へ。
これならユーザーもLSX IIとLTで悩むことが出来ますね。
しかし・・・どんな判断だKEF!!w
(素晴らしい)
Amazonでもしっかりと改定価格になってました。↓
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