はじめに
毎月20日以降更新、今月聴いたヘビロテを紹介する。ちょっとした定例報告や雑記のような記事です。
アニソン多めですが、出来ればアニソン以外の曲も紹介できればと思います。
今月なに聴いた?ヘビロテ紹介
BEGIN / ビギンの盆マルシャ
なぜ秋に盆踊り?
と思われるかもしれませんが、秋を迎える前の風物詩として盆踊りは欠かせません。
杉並区に住んでいた時期があるのですが、9月に入ると盆踊りや阿波踊りがあちこちで開催されていました。
この東京で「盆踊り」という都会と土着文化の折衷が、田舎から出てきた人間からするとめっちゃ東京っぽいと感動した記憶があります。
商店街で小学校で駅前で、どこかしらから懐かしい音と人のざわめきが聴こえてくると、もう夏が終わるのかと侘しい気持ちになっていました。
さて、本アルバムですが「東京での盆踊り」の再解釈とも言える曲目になっており、「渋谷百年総踊り」から50年代の歌謡曲、ビギンのヒットソングの盆踊りVerまで地続きで収録されています。
ブラジルで日系移民が踊っていたマルシャと盆踊りを融合というコンセプトですが、かなりエイサー風味も入っておりどこまでいっても沖縄の風。
日本のダンスミュージックの原点であり完成系、土着EDMとも言える盆踊りはきっと誰かにとっての「あの日」を蘇らせてくれると思います。
アトラス / メタファー リファンタジオ スペシャル・サウンドトラック
SNSで回転説法と騒がれていましたね、メタファーのサウンドトラックです。
実際のお坊さんのお経と民族音楽を組み合わせた上で、オーケストラ風にまとめられているのですが、まさに魔合体。
実際ゲーム内でも流れるのですが序盤の移動シーンでいきなりお経Max、始まりも戦闘も幕間もすべてお経。全部お経(笑)
流石アトラス尖ってんなと思わされました。
ちなみにお坊さんこと本良敬典さんはライブごとにスタッフと話し合い、より良きパフォーマンスになるよう日々精進なされているそうです。(イソッチゅーぶ内本人コメントにて)
色々ツッコミどころ満載ですが、曲としての仕上がりはある意味ヤバさを感じさせる出来で個人的には「戦う者たちよ」がかなり戦闘曲としてノリノリになれます。
プレイ中ずっと説法オーケストラで人間の概念を問われているような気になりますが、それも狙いなのでしょうか。
そして、ゲームの方も面白いのでぜひ。
今の所序盤ですでに20時間近く相変わらずのイカレたボリュームは健在。難易度もなぜかペルソナより上がっている気がするので覚悟は必要です・・・。
メタファー:リファンタジオ(Metaphor: ReFantazio)| アトラス
二階堂和美 / ハミング・スイッチ
二階堂和美さんと言えば、かぐや姫の物語での「いのちの記憶」がとても印象に残っている方も多いと思います。最上の愛を静かに描いた傑作にぴったりの歌声でした。
そのスタジオジブリに関わる5年前に多方面とコラボして、発表されたカバー曲を含んだミニアルバムが「ハミング・スイッチ」です。
「真夏の果実」と「卒業」を聴いた時、歌が上手すぎて笑っちゃいました。
調子を変えるようなアレンジはかなり歌い手を選びますし、そういうのはいらんと思うことが多いのですが、圧倒的な表現力と透明感にお手上げです。
ちなみに二階堂和美さんは僧侶の資格を持っており、父も僧侶。
仏門に関りのある方って歌が上手いんですかね本良敬典さんしかり。実際お経ってかなり体力使いますし、のどが鍛えられるとは聞いたことはありますが。
懐かしいカバー曲が目立ちますが弾き語り音源も収録された、秀逸な歌モノアルバムです。
二階堂和美 - Nikaido Kazumi Official Website
The Petersens / Live Sessions, Vol. 01
カントリーってどうでしょう?
好きな音楽のジャンルは?と聞かれて「カントリー!」と答える人が世の中にどれだけ存在するでしょうか。恐らくですが30歳以下はほぼ全滅だと思います。
ロックを聴き出すと自然とカントリーも履修しとくか・・・となるのですが令和ではなかなか厳しい。そんなことよりボカロでAdoってYOASOBIしようぜ、みたいな感じ。
カントリーなんていちいちチェックするのめんどい!気軽に聴かせて!
そんなあなたにThe Petersensです。
一人のゲストを除いて全員家族、自然豊かなミズーリ州ブランソンを拠点に活動しているファミリーバンドです。
そして、活動場所はライブを除くとメインはYoutubeという古い価値観と新しい物が結びついた特異な存在。
収録動画は毎月、たまにライブ配信もチャンネル内で配信しており、全て無料。
ええ、すべて無料。
姉妹たちの奏でる美しい歌声と、下支えするママのベースに長男の安定したギター、そしてバックに見える超大自然。これぞアメリカ、これぞカントリー、ブルーグラス。
私の推しはエメットフランツ。
彼は唯一のゲストでドブロギターという楽器の奏者なのですが、奏でる音色があまりにも美しく、魅惑的なソロパートがよりカントリーのエッセンスを強める役割を果たしています。
カントリーはゲーム内音楽に使われたり、良く聴くとテレビの劇半に使われていたり、意外と身近な音楽です。
純なアメリカンルーツミュージックをこの機会にぜひ触れてみてください。
The Petersens | Branson's #1 Rated Show | Authentic Americana Roots
※定義的にはバンド構成はブルーグラス、ブルーグラスアレンジのカントリーミュージックが主体であり、公式にアメリカンルーツミュージックと呼称されているのでカントリー枠として今回紹介しました。
帝国歌劇団 花組 / サクラ大戦 歌謡ショウ 第二回特別公演「つばさ」
冬が近づくとサクラ大戦が懐かしくなります。
大昔のテレビ宣伝が年末に多かったせいでしょうか、それとも奇跡の鐘のせいでしょうか。
サクラ大戦といえば外せないのが歌謡ショウ。
2.5次元舞台の先駆け、声優がキャラを演じるという前提は最近だとウマ娘などのメディアミックスも同様ですね。
歌謡ショウも長らく続いて沢山ありますがその中でも「つばさ」は名作舞台です。
オーケストラピットから生まれるリアルタイムの音楽、田中公平の指揮、絶妙に緊張感のあるキャスト、終盤にかけての盛り上がり、客の熱。
そのすべてが噛み合っており、アルバムとして収録されても熱量が全く変わらず伝わってきます。曲数と構成のまとまりがとても良い。
特に「春が来る~南風GOGO」は仕組み含めて複雑なのに、オーケストラとキャストと客の手拍子が謎のグルーヴを生み出しています。
サクラ大戦の歌謡ショウには凝った名作が他にもありますが、この時この瞬間の熱量を最も感じるのはこのシンプルな「つばさ」という舞台です。
私はサクラ大戦に関してはTV版ですら再々放送組ですが、リアルタイムは知らなくてもハマれる魅力がサクラ大戦と歌謡ショウにはあると思います。
いつかまた この夢のつづきを
麗しの 帝国歌劇団
この舞台当時は未来への希望、そしてゲーム世界の続きとしてのメタい意味合いを持ちますが、現在では過去への望郷の念を感じます。
サクラ大戦IPは厳しい状態なので望み薄になってしまいましたが、第二~第三世代のファンとしてはまた夢のつづきを見れることを願っています。
まとめ
今回は「懐古」、古く懐かしいもの、もしくはその時代背景でしか得られないものをテーマに曲を選んでみました。
「古い物より新しいモノの方が格好良い」
ヴィンテージやレトロブームがひと段落ついた反発で、最近はそう言われがちですが、元々は表裏一体、温故知新です。
盆踊りだって、お経だって、カントリーだって、今聴くと新鮮だったり新しい発想を得ることが出来たり、新しい意味合いを生み出し続けています。
メタファーのお経も、海外からは新しい民族音楽のジャンルとして今後は認知されるのではないでしょか。
新しい物も古い物も気にせず楽しめば良い。
そう思い、今日も今日とてサブスクでぽちっとDLして古~い曲を聴くのです。
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