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ネットワークビジネスに勧誘された話【マルチ商法/潜入レポ】Vol.15

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【人物おさらい】

Y・・・ネットワークビジネスに誘ってきたフットサル場での先輩

R・・・Yの幼馴染で九州男児のようなイケメン

O・・・Yの兄弟子で巨漢の美容師

S・・・切長目のお姉さん系美人

U・・・ふわふわで明るいバラドル系女子

M・・・セミナー主催者であり、Yが師匠と慕う人物

湘南と創始者

電子カードをかざし駅から出るとそこには、穏やかな海、観光客、海岸通りをどこまでも続く道路。

 

私は湘南に降り立っていました。

 

しばらくすると、続々とビジネスのメンバーが集まって来ます。今回は、創始者の自宅を訪れるというビッグイベントなので、Mの弟子はほぼ全員集合です。

 

Y「Oさん、揃った感じです、もう向かいますか?」

 

O「まぁ、焦んなよ。おれも久しぶりだけどなぁ。もう少し待てってMさんから連絡来てるから、道路沿いのファミレスで時間潰そうぜ。」

 

R「あそこのファミレスですね☆俺先行って席取ってきます!」

 

S&U「いいねー行こう行こう☆楽しみだね~⤴」

 

ファミレスに着き、一角を占有しドリンクバーと軽食を頼み、一時間ほど待ちます。

するとOに電話が入りました。

 

O「よっしゃ!準備整ったってよ、ご自宅へむかうぞ!それぞれ質問なり、アドバイス貰うなら準備しとけよ~。」

 

今回の主な目的は、顔見せもあるのですがそれぞれビジネスを行う上で悩んでいる部分についてアドバイスを貰うというものでした。

もちろん私もYに言われ数個質問を用意していました。

 

ファミレスを出て、道沿いに歩く事15分ほど。

道路を挟んで限りなく浜に近い場所に、マンションの1階部分までを抜き取ったような住宅が見えてきました。

 

海外や都心の富裕層向けの住宅で、建物は大きいのに10部屋ほどしかありません。庭にはシャワーと車庫が併設されており、いつでもサーフィンを楽しめるというコンセプトとのこと。

 

角部屋の前に全員が立ち、ドアが開くのを今か今かと待ちます。

ガチャ・・。ドアが開きMが「よく来たね」と中へ誘います。弟子内の序列順に入って行き、私は最後に続きます。

 

入るとほぼ真っ暗で廊下は10メートルほど、歩みを進め最奥の部屋に到着します。

 

大体20畳ほどの薄暗い部屋の中には、いくつもの間接照明が設置され、アメリカン家具と観葉植物、壁に飾られたサーフボード。そして、甘いムスクのような香りが部屋に充満していました。

 

そして、そのさらに奥の木製の椅子。そこに座って佇んでいる人物こそ創始者と呼ばれる人物でした。

 

皺の深い日焼けした顔にサングラスと白い髭、頭には羽根付の白いハット、両耳イヤリングに首元にはターコイズのネックレス。両手はシルバーアクセサリーで埋め尽くされ、民族シャツに白いパンツ、編み込みサンダル。年齢は恐らく60歳~70歳ほど。

 

全員が創始者を囲み、頭を下げながら一人ずつ創始者に挨拶をしていきます、

その状況はまるでインディアンのような少数民族の族長を訪れる開拓団のようで、どこか宗教的なものを感じました。

 

そして私の番が来て挨拶をしながら、チラッと顔を伺います。

サングラスで目を見ることは出来ませんでしたが、握手を求められて手を握った時やはり皺が多く、それなりの年齢を感じさせるものでした。

 

M「挨拶は済んだね。今日はとても忙しい中時間を作ってもらってます。これからアドバイスを頂ける場を設けますが、各自この機会を無駄にしないように☆」

 

その一言で音楽が流れ始め、序列が上の人物から創始者の元へ向かいます。

残された人はいわゆる歓談の場として、普段あまり接点の少ない物同士が情報交換を行っていました。そうこうしているうちにYの番が終わり、帰ってきます。

 

Y「いやぁーーー・・・緊張したぁ・・・。でも凄かったよ。有難い言葉ばっかりだった。君もしっかりと打ち合わせた通りに質問するんだよ☆」

 

ついに私の番。

この中では一番の新参なので全員が注目しており、緊張感に襲われましたが、意を決し創始者の前に歩みを進めました。

 

ネットワークビジネスに勧誘された話【潜入レポ】Vol.16へ続く