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【人物おさらい】
Y・・・ネットワークビジネスに誘ってきたフットサル場での先輩
M・・・セミナー主催者であり、Yが師匠と慕う人物
課されたハードル
M「まず、30万円用意してもらいます。」
M「前にキャッシュフローについて勉強したよね?収入の30%を投資に回すのが目安って。君にも毎月30%を貯蓄してビジネスの予行練習をしてもらいたいんだ。最終的にはそのお金は僕が貰うんじゃなくて君のビジネスの資金になるって感じかな。」
M「ちなみにYも他の弟子も達成してるよ、ね?」
Y「実際達成して気づいたんだよ、自分がどれだけ無駄遣いしたたか・・・大体三ヵ月かかっちゃったけど、本当勉強になったよ。」
M「そして、あと二つ。これは絶対必要なハードルでは無いのだけれど、お金を貯めていく間に達成してもらえると嬉しいかな。それは・・・」
内容を要約すると、
・正規の仕事を辞めて非正規の仕事に就く
・Mのタワマンまで30分以内で通える場所に引っ越す
といったもので、その理由はそれぞれ。
・今後増えるM達との会合や催しに参加するのが必須になり、基本土日は絶対参加になるから、土日休みの非正規事務職に就いて欲しい。
・常にMに教えを乞うことが出来、弟子同士でも密接な関係を築くため。実際Y含めた弟子は全員近隣に住んでいる。Mの経営しているルームシェアマンションを格安で貸し出すことも出来るから検討して欲しい。
というものでした。
この段階で怪しいどころか、冷静に考えると完全にアウトなのですが。その時私はこう思っていました。
「それ位ならいけるかも・・・」
ちょうど引っ越しの予定があったのと、転職も前から視野に入れていたのは事実なのですが、楽しくなってしまっていたのです。このネットワークビジネスの集まり自体が。
もちろん、倫理観は働いていますし、頭の中ではダメとわかってます。
お金を要求されれば即撤退と思っていたのに、自分の為のビジネスに使えると聞いてそれなら良いか・・と勝手に納得してしまい、一旦その疑念や現実は頭の片隅に置いて、このままの関係を続けたいと思ってしまったのです。
M「・・・以上かな。難しければお金を貯めることから始めてくれれば十分だよ☆次の弟子が外で待ってるから今日はこれでお開きにしようか⤴」
M「達成を楽しみにしてるよ☆」
Y「よし、じゃあ帰ろう、Mさんお時間取って頂いてありがとうございました!!」
白い廊下へ出て、ガラス張りのラウンジを通り外へ出ます。
橋を渡り広がる湾と低い位置から遠くを眺める夜景。先ほどの出来事は現実だったのかと、歩きながら非現実感に襲われていました。
そして、スマホで駅近のラーメン屋を検索しながらYが私に尋ねます。
Y「で、どうする?仕事と引っ越し。まずは引っ越しかな?良いルームシェア物件あるからタイミング来たら教えてね。」
私は、流石に直ぐには決められないと伝え、仕事に関しては現在土日が休みなので続ける方向でということに落ち着きました。
そして、その後ラーメン屋でYと麺をすすりながらも、私の頭の中では具体的に引っ越す場所と予算を考え始めていました。
ネットワークビジネスに勧誘された話【潜入レポ】Vol.14へ続く