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ネットワークビジネスに勧誘された話【マルチ商法/潜入レポ】Vol.11

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【人物おさらい】

Y・・・ネットワークビジネスに誘ってきたフットサル場での先輩

M・・・セミナー主催者であり、Yが慕う人物

夢の書き出し

セミナーでのラットレースゲームが終わり、数週間。

私は仕事とネットワークビジネス関係の催しである、スポーツ大会や飲み会をこなしながら毎日を忙しく過ごしていました。

 

そんなある日、いつものようにYに呼び出されます。

ただ、今回の集合場所は〇川駅のカフェ・・・。珍しいなと思いながら承諾し現地へ向かいました。

 

到着するとすでにYが座っておりスーツ姿のままでした。

髪型もMさんを意識して横を刈り上げ、出来るサラリーマン風です。

 

実はこの段階でYは保育士を辞め、非正規のウォーターサーバーの営業職に就いていました。

 

Y「よっ!元気?急な呼び出しごめんね☆」

 

その後コーヒーを注文し他愛もない雑談を続けます。

そして、おもむろにYがこんなことを提案してきました。

 

Y「Mさんとも話したんだけど君はもう十分信頼を得ているし、みんなからも好かれてる。そろそろ次のステージに行ってもらいたいんだよね☆」

 

Y「まずMさんの自宅へ行って対面で話す必要があるんだけど、その時夢の書き出しを持っていくことになってるんだよ。ノート持ってきたからさ、今日これから書いて欲しいんだ。」

 

出てきたのは青い普通のコ〇ヨノート、それを机に開きペンを渡されます。

 

夢の書き出しとは

自分の目標

自分の本当に欲しいもの

自分が10年後どうなっていたいか

を書き出し、まとめる。

 

といったもので、とりあえず書いてみますが何度書いてもリテイクを要求されます。

 

Yが言うには「本当の欲求が書かれていない」「もっと心の底からこうなりたい、欲しいと思うことを正直に書いてくれ」とのこと。

 

仕方ないので、こちらも絞り出して欲求に忠実に書き進めます。

 

・成功して影響力を持った人間になりたい、後輩や仲間に信頼されたい。

・最新型の高級車、高級腕時計、自宅にプール、高級な靴が欲しい

・金銭的に余裕のある生活で、毎月海外旅行へ行って、お金が溜まれば地元へ移住して悠々自適の生活を送る。

 

要約してますが、実際はノート数枚分にびっしり細かく、高級車はどのメーカーでどの型か、時計の種類、自宅の立地条件、毎月いくら欲しいかなど、その他についても細かく指定して書きました。

 

かなり俗な内容になりましたが、人というものは絞り出すと欲求は限りが無く、究極俗なものにしか興味が無いという、私にとっても新しい発見でした。

しかも、不思議とこのような文章を書いてみると、隠れていた欲求に火が付き物欲や権力欲が湧いてくるのです。

 

Y「いいねぇ!!素敵な夢じゃん☆これでMさんの所に行けるねぇ⤴」

Y「それじゃあ日程を決めよう!」

 

嬉しそうなYがMの自宅へ訪れる日にちを決める中、私は自分の中に変化を感じ始め、その妙な心地よさに戸惑いを隠せないまま、コーヒーをすすり続けました。

 

そして、当日。

〇川駅に集合、その後港南のほうへ足を進めます。

湾にかかる橋と煌びやかなマンションが立ち並び、時折レクサスやベンツ等の高級車が走ります。

 

到着したのは、富裕層向けのタワーマンション。

一階フロアは全面ガラス張りのラウンジがあり、ラグジュアリーな雰囲気です。

 

もちろん入居者では無いので、ラウンジにすら入れません。Yがスマホで連絡を取り遠隔でロックが外されます。

 

Y「上がっておいで。だって☆いやー楽しみだね⤴」

 

透明な自動ドアがスライドし、前が開けます。

どこか後戻り出来ないような感覚に襲われましたが、ここまで来て帰る選択肢は無いと思い、足を踏み入れました。

 

ネットワークビジネスに勧誘された話【潜入レポ】Vol.12へ続く